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本を読まない子どもたち 背景にSNS?

2017年9月22日 19:41
本を読まない子どもたち 背景にSNS?

 子どもたちの“読書離れ”が問題になっている。昨年度の調査では、「1か月に1冊も本を読まない」と答えた小学生、中学生、高校生の割合は半数以上に及ぶ。読書をしない背景には何があるのか。また、図書館側の工夫と『活用法』を考える。

     ◇

 栃木県にある県立鹿沼高校。図書室に入ると、ディスプレーは書店のようだ。飾り付けは生徒による手作り。“立ち寄りたくなる図書室”を目指した結果、貸出数は2.3倍(2014年度→2016年度)に増えたという。

 栃木県立鹿沼高校・図書委員「雰囲気が明るければ(図書室に)入ってきやすい。借りていく人も増えて有効だと思います」

 全国学校図書館協議会などの調査に対して「1か月に1冊も本を読まない」と答えた小学生、中学生、高校生の割合を見ると、年齢が上がるにつれて読書をしなくなる比率が増えていく。去年の調査では高校生の約6割が「1か月に1冊も本を読まない」という結果になっている。

■読まない理由は

 文部科学省の調査では、

 ─他の活動等で時間がない
 ─他にしたいことがある

といった理由が多い。部活や受験勉強などやることは色々あり、最近ではSNSに時間を割かれているという指摘もある。限られた時間の中で読書の優先順位を高くするようなきっかけをつくることが必要と言える。

 国は、2001年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」を作り、おおむね5年に1度、基本計画を立てている。今月12日にも有識者会議が開かれたが、子どもが多くの本に触れられるような環境づくりに向け議論がおこなわれている。

■具体的な工夫は

 既に進められている取り組みとして、例えば茨城県笠間市の図書館では、小学1年生を対象に“図書館1年生”というキャンペーンをおこなっている。

 茨城・笠間図書館司書 矢作幸枝さん「上手に図書館を使えるように図書館の冊子を作成し配布。いらっしゃる子は、来て自分で本を選んで楽しく過ごしている」

 小さいうちから読書の習慣をつけて図書館の利用を生活の一部にしてもらおうという狙いで、こうした取り組みの結果、本の貸出数が、人口8万人未満の市区町村にある図書館として、5年連続で日本一になった。

 そのほかにも、秋田県は全国の都道府県で唯一、「読書条例」を制定し、県民に読書をすすめている。県立図書館の図書購入予算を1.5倍にした他、新たな図書館もつくっている。

 さらに秋田県は全国学力テストで常に上位の成績をおさめているが、県は、子どもたちの読書率が高い学力の下支えになっていると分析している。

■最近ではスマホの使用も増えている。読書離れを防ぐ手立ては?

 今回のポイントは、『SNSの活用』。読書とSNSというのは一見矛盾するようだが、実は、高校生のうち1か月に1冊も本を読んでいないと答えた高校生の中には、小中学校の時は読書が好きだった生徒も多い。

 一方で、先ほど本を読まない理由として「他にしたいことがある」とあったが、その一つがSNS。それを逆手にとって、例えばSNSで本のキャッチコピーの募集をしたり、書評大会を行ったりするなど、SNSで情報を発信するために本を読むといった流れをつくることが考えられる。

 いずれにしても、SNSと読書を対立して考えないことが大切だ。

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