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南海トラフ地震 発生可能性で情報発表へ

2017年10月26日 17:12
南海トラフ地震 発生可能性で情報発表へ

 甚大な被害が想定される南海トラフ地震について、発生の可能性が高まった場合に、気象庁は来月1日から、新たな情報を発表する。

 南海トラフ地震は、今後30年の間に高い確率で起きるとされていて、太平洋側の広い地域を巨大な津波が襲い、最大32万人の死者が出ると想定されている。

 気象庁は来月1日から、東海地方の沖合から宮崎県の日向灘まで広がる南海トラフ地震の震源域の中で、普段より発生の可能性が高まった場合に、新たな情報を発表する。

 普段よりも発生の可能性が高くなっていると呼びかけるのが狙いで、南海トラフ地震の震源域でマグニチュード7以上の地震が起きたり、南海トラフの東側でマグニチュード8クラスの大きな地震が発生し、今後、西側にも連動するおそれがある場合などに発表される。

 その一方で、予知を前提としていた「東海地震」については社会活動などを規制する「警戒宣言」などは発表されないことになった。これは国が公式に「地震予知はできない」と認めたことになるが、自治体などからは何をきっかけに防災対応を始めるべきか懸念する声も出ている。

 国はこれから静岡県や高知県などをモデル地域に指定し、地震予知を前提としない新たな防災対策を、今後1年かけて模索していくことになる。