炎見えなくても…電気ストーブ正しく使用を
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これからの季節、欠かせないのがストーブやヒーターなどの暖房器具。実は使い方次第で危険を招くこともある。「暖房器具の安全性」について考える。
■11月から増加するストーブ火災
先週、NITE(製品評価技術基盤機構)が公開した「電気ストーブ」での火災の実験では、電気ストーブにタオルを置いてから、約5分で炎が上がった。また、地震を再現した映像では、ストーブの前に落ちた雑誌がすぐに燃えてしまった。
NITEでは、11月頃からストーブの火災が増えていると注意を呼びかけている。これからの季節に欠かせないストーブ。灯油を使う石油ストーブや電気ストーブ、また風が出ないモデルなど様々だが、どんなストーブに特に注意が必要なのだろうか。
■ストーブ火災の7割が「電気」
東京都が行ったアンケートでは、約80%の人が、火災の危険が高いのは石油ストーブと答えている。しかし、東京消防庁によると、ストーブが原因の火災のうち、69%が電気ストーブとなっている。火災のメカニズムに詳しい専門家は――
「石油ストーブは見た目に炎が見えるということで、危険じゃないかと誰でも思うんですね。ただ一番多く使われるようになってきているのが電気ストーブです。この電気ストーブは炎が見えないものだから、皆さん安全じゃないかと思いがちなんですね」(東京理科大 菅原進一名誉教授)
菅原教授は、どのようなストーブでも絶対に、近くに燃えやすいものは置かないこと、特にカーテンや洗濯ものなどは注意してほしいと話す。NITEによると、電気ストーブによる死亡事故は昨年度までの5年間で26件、そのうち85%が60歳以上。中には、衣服に燃え移ったことに気づくのが遅れ、亡くなってしまったケースもある。
■服を温めるなどの使い方はNG
メーカーはどのような安全対策を行っているのだろうか?例えば、電気で中のオイルをあたためて熱を放射するストーブ(オイルヒーター)では――
デロンギ・ジャパン 宇佐美さん「我々の製品は火を使っておりません。ですので、万が一、洗濯物あるいは脱衣所などで洋服がかぶさったりしてもすぐに発火することはありません」
また、表面を60度~80度の低温設計にしていて、触ってもすぐにヤケドする心配はない。ただし、服を温める等の使い方は絶対にしてはいけない。冬に欠かせないストーブ、安全に使って暖かく冬を乗り越こえたい。