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ヒトのiPS細胞から作った「心筋球」サルに移植…心臓の機能が回復 慶応大学などの研究グループ

2024年4月26日 18:22
ヒトのiPS細胞から作った「心筋球」サルに移植…心臓の機能が回復 慶応大学などの研究グループ

ヒトのiPS細胞から作った心臓の筋肉の細胞をサルの心臓に注入して移植する治験を行った結果、移植された心臓の筋肉の細胞が長く生着し、心臓の機能が回復したと、信州大学と慶應大学などの研究グループが26日、発表しました。

信州大学医学部の柴祐司教授、慶應大学の遠山周吾講師、福田恵一名誉教授らの研究グループが、Heartseed社との共同研究で、ヒトのiPS細胞から、心筋(心臓の筋肉)の細胞を作り、それをおよそ1000個集めた「心筋球」にして、心筋梗塞を起こしたカニクイザルの心臓に注入する形で、移植したということです。

12週間後に心臓の組織を解析したところ、移植した心筋細胞が生着、つまり正常に機能していたということです。そして、エコー検査などの結果、心筋球を移植したサルは、移植しなかったサルよりも、心臓の機能が回復したほか、従来の報告と比べ、心室での不整脈の副作用も格段に少なかったということです。

この研究では、心筋細胞のうちでも、心室の筋肉の細胞だけを作り出すことができたこと、心筋球にすることで、移植により死ぬ細胞を少なくすることができたことで不整脈を減らすことが出来るようになったと、福田名誉教授は説明しています。

この研究グループは、心筋球を使った心臓治療の治験をヒトでも始めていて、数年以内の実用化を目指しています。

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