釈迦の教え伝える涅槃図 描かれた真理とは
2月15日は、仏教の開祖である釈迦(しゃか)が亡くなった日。釈迦に感謝の祈りを捧げる行事を“涅槃会(ねはんえ)”、釈迦が亡くなった時の情景を描いた絵を“涅槃図(ねはんず)”と呼ぶ。この涅槃図に描かれた様々なものを紹介する。
■菩薩や神々、動物に人間まで
釈迦の入滅を描いた“涅槃図”。生死を超えた悟りの世界“涅槃”に入る時の情景だ。臨終を迎え林の中で横たわる釈迦の周りには、様々な菩薩(ぼさつ)や神々、動物たちに人間、そして、釈迦の母も駆けつけた。
涅槃図をよく見ると、菩薩や神々が悲しんでいる。地面に寝転び嘆く金剛力士が描かれている。他にも、ゾウにフクロウやワシ、スッポン、さらにはムカデなど、様々な生き物の姿もあった。それは、釈迦の“ある教え”が関係していた。東京・青梅市にある常保寺の小澤住職はこう教えてくれた。
「草から人の命、動物の命までとても大切で、それはすべて平等だと言った」
■釈迦の説く真理とは?
一方、嘆き悲しむ弟子たちの姿もあった。悲しみのあまり倒れてしまった者もいる。また、身分を超えて共に悲しむ人たちも描かれている。
他にも、釈迦を産んだ7日後に亡くなり、神々の世界に生まれ変わったとされる聖母・マーヤーが絵の上部に描かれている。我が子の危篤を知り、天から降りて持参した薬袋を投げ下ろすが、釈迦の元には届かなかった。
悲しむ母や弟子たちに、釈迦は真理を説いたという。
「生きとし生けるものすべては、いつかは必ず滅びる。そんなに悲しんではいけない。仏教の法という教えを信じ、一生懸命、生きなさい」
【the SOCIAL todayより】