花粉症?風邪?見分けるポイント、予防法は
今年もスギ花粉が飛び始めた。突然、発症することもある花粉症。くしゃみや鼻水などの症状だけでは、風邪と見分けをつけづらいことも。諏訪中央病院の名誉院長・鎌田實さんと、花粉症を見分けるポイントや、ピークの前にしておきたい予防法について考える。
◆花粉症、今年のピークは?
東京でもごくわずかだが、花粉が飛び始めた。日本気象協会が15日に発表したスギ花粉の飛散のピーク予測を見ると、ピークは東京では3月上旬から4月上旬まで、福岡では今月下旬から3月上旬までとなっていて、もう対策を始めた方がいい地域もある。
こういう情報を聞くだけでくしゃみが出る人もいるかもしれないが、この時期、風邪もはやっていて、くしゃみや鼻水の症状から花粉症なのか風邪なのか、なかなか見分けがつかないこともある。対処を間違えないためにも、花粉症を見分けるポイントを見てみたい。
◆花粉症と風邪の違い
まず花粉症は風邪と違い、発熱や関節痛などの全身への症状が出ることは少ない。また症状は、1か月以上、長く続くこともあり、目や鼻のかゆみが出る特徴がある。
花粉症は、ある日突然、発症することもある。もし花粉症だとしたら、症状を軽くするためにも早めの治療が必要だ。都内の診療所を取材した。
耳鼻咽喉科とアレルギー科がある診療所、東京・練馬区の小山耳鼻咽喉科・アレルギー科医院では、今の時期から花粉症の治療に訪れる患者さんもいるという。早めに治療することでどんな効果があるのか、院長に聞いた。
小山英明院長「早くから治療していれば、(症状が)強く出てくる時期は遅らせることができますので、苦しむ時期っていうのが短期間で済むことになる」
◆花粉症、早めの治療を…注目の治療法は?
長い期間苦しまないためにも早めの治療が大切だ。症状がひどくなると鼻の粘膜が過敏になってしまい、治療が難しくなる。自分が住む地域で花粉が飛び始めたら、受診することが大切だ。
こうした、出てきた症状に応じて行う対症療法の他に、根本的に花粉症を治す治療法もある。それが、免疫療法。
その中の舌下免疫療法は、12歳以上が対象となり、花粉のエキスを1日1回、口の中に垂らして、2年~3年かけて少しずつ体を花粉に慣らしていく治療法。強いアレルギー反応が出る可能性は少ないとされていて、痛みもなく、自宅でできる治療として注目され始めている。くわしく知りたい方は、かかりつけの医師に相談してみてほしい。
◆私たちが今からできる花粉症予防は?
花粉症予防で一番大切なのは、花粉を体内に取り込まないこと。
(1)メガネやマスクはもちろん、外から帰って来たら家に入る前に服の表面を払う。
(2)家に入ったら手洗い・うがい、そして忘れず顔も洗おう。
(3)あとは、加湿器などで部屋の湿度を上げれば、室内に入ってきた花粉も飛びにくくなる。床に落ちた花粉をこまめに掃除機をかけることも大切。
花粉症は、悪化するとよく眠れず、高い確率で睡眠障害を引き起こすことが問題になっている。意識して予防を心がけたい。