学校内で「53件の暴力行為」秀岳館高校サッカー部“暴力事件” 報告書を提出
熊本県にある秀岳館高校のサッカー部での暴力事件について、学校側が提出した報告書で「53件の暴力行為があった」ことが新たに分かりました。暴力行為はサッカー部以外でも確認されました。
◇
29日午後、熊本県が会見を行いました。
熊本県私学振興課 橋本誠也課長
「本日のブリーフィングにつきましては、秀岳館高校から今回の暴力事案にかかる追加の報告書が提出されたことから、その概要について、みなさんにご説明するものです」
今年4月、熊本県八代市にある秀岳館高校のサッカー部の寮で、30代の男性コーチが3年生の男子部員に対し殴る蹴るの暴行を加えたとされる事件。男性コーチは書類送検され、懲戒免職となりました。
この暴行をめぐっては、動画がSNS上で拡散されたあと、部員が顔と名前を出して謝罪する動画をSNSに投稿したことも問題になっていました。投稿が段原一詞前監督の指導の下に行われていたことも明らかになっています。
今回の報告書では、全校生徒と職員を対象としたアンケートの結果も公表され、サッカー部を含め、合わせて53件の暴力行為が確認されました。すでに退職したサッカー部の段原前監督の暴力行為については…
熊本県私学振興課 橋本誠也課長
「複数の卒業生に聞き取りによる事実確認を行った。以前はあったと思うが断定はできないと」
結局、段原前監督の関与について明らかになりませんでした。
こうしたサッカー部内での暴力行為について学校は、「サッカー部以外の者の介入が難しく、部の様子を完全には把握できていなかった」としています。
その背景について熊本県は…
熊本県私学振興課 橋本誠也課長
「ずっと同じサッカー部の中で、指導者もずっと同じ中で、もしかすると閉鎖的な状況になっていたのではないかと。そういうことで声が上げづらかったという可能性はあるんじゃないか」
熊本県は、学級編成の見直しやサッカー部関係者以外の人を担任や寮監に配置する必要があるとしました。
県は今後、報告書を文科省に提出するということです。