“有給休暇不許可”都バス運転手が提訴
東京都の都バスの運転手が心臓の持病で受診するための有給休暇を申請したが認められず、心臓発作を起こして約3か月間、休職を余儀なくされたなどとして、東京都に損害賠償を求める裁判を起こした。
東京都交通局の職員で都バスの運転手・近藤勝徳さん(57)は「冠れん縮性狭心症」を患っていて、定期的に医療機関を受診する必要があるため、去年6月の時点で、去年8月9日に有給休暇を取りたいと申請したが、認められなかったという。
受診できなかったために、発作を抑える薬が手元になくなってしまい、近藤さんは去年の8月14日に心臓の発作を起こし、3か月にわたり休職を余儀なくされたという。
近藤さんは、有給休暇の取得妨害などで精神的苦痛を受けたとし、東京都に対して28日、約200万円の損害賠償を求める裁判を起こした。近藤さんは乗務の条件として、医療機関の受診と薬を飲むことになっているが、近藤さんの弁護士は、有給休暇を認めなかった東京都の対応は乗客の安全を軽視したもので、重大な問題だと指摘している。
東京都交通局は「状況を把握しておらずコメントは差し控えます」としている。