×

ハンバーガーに熟成肉… 大学の新たな試み

2018年6月6日 19:18
ハンバーガーに熟成肉… 大学の新たな試み

今、大学がブランド力を生かした魚や肉、商品を販売するなど、新たな取り組みを続々と始めている。さらに、企業などともタッグを組み、私たちの暮らしに身近なところでも活躍の場を広げている。その最前線を取材した。

東京・池袋の駅地下にあるハンバーガーチェーン、フレッシュネスバーガーEchika池袋店。

白ワインで蒸し焼きにしたジューシーな鶏もも肉にマヨネーズと紫キャベツ、そしてフレッシュアボカドをぜいたくにのせたひと品は、その名も「立教ごちそうバーガー」(単品480円・税抜き)。

同じ池袋にある立教大学が、池袋に愛される商品の開発を目指す店側とコラボレーションした。この「立教ごちそうバーガー」は、経営学部の学生団体のビジネスコンペによって開発された。

立教大学2年・五月女らなさん、須佐まな花さん「紫色は立教大学のイメージカラーというところがあったので、紫キャベツを入れたのと、フレッシュネスバーガーのイメージカラーの緑をアボカドできちんと入れたいと思って」

学生らしいアイデアに店側は…。

フレッシュネス・船曳睦雄社長「学生さんは全く真っ白な状態でアイデアを発揮していただけるので、そういう意味では新しい商品が作れたと思う」

フレッシュネスバーガーEchika池袋店のみで、8月5日までの限定販売だという。

     ◇

東京・港区の炭火焼きレストラン、旬熟成・六本木店。

塊肉を炭火でじっくりと焼き上げていく。使われているのは牛や豚の熟成肉。

熟成肉とは肉を一定期間寝かせることでタンパク質を分解し、うま味成分に変化させたもの。脂の口溶けがよく、肉質が柔らかいのが特徴だ。

この店で使っている熟成肉は、明治大学と企業の共同研究によって生み出された。開発したのは応用微生物を研究している村上周一郎准教授。なぜ熟成肉に目をつけたのだろうか。

明治大学農学部・村上周一郎准教授「熟成肉をより安全に安心に作っていきたい。(熟成肉作りは)なかなかテクニックというか、職人技ということもあった」

東京都の実態調査では、熟成失敗による肉の腐敗や意図しないカビが発生するなど、衛生管理上の問題が指摘されている。

そのため、より安全に熟成肉を作るために考えだしたのが、熟成肉を作るための「エイジングシート」。

エイジングシートとは、熟成肉に必要なカビの胞子を付着させたシートのこと。

(共同開発した)フードイズム・跡部美樹雄代表「これ(エイジングシート)を全体に満遍なく巻いていきます。そうすることで熟成に必要なケカビというものがどんどん生えてきます」

熟成に必要な“カビ”が短期間で増殖する上、腐敗の原因になる他の菌が入りにくくなるという。

     ◇

東京都内にある日本女子大学。

教室で授業を受けていたのは大学生ではなく、20代後半から50代前半の主婦や会社員ら。

彼女たちが受講しているのは「リカレント教育課程」。キャリアアップを目指す女性や、一度仕事を辞め、再就職を目指す女性が学び直すためのプログラムで、ビジネス英語や経理の実務なども学ぶことができ、修了生の就職率は9割近くにのぼる。

46歳のときに契約社員からのキャリアアップを目指した伊藤朋子さん(48)は、1年間のリカレント教育を経て、経理を担当する正社員として採用された。

伊藤朋子さん(48)「学び直すということで周りの仲間もできますし、会社との橋渡しを大学がしてくれて、正社員として働くことができた」

さらに日本女子大学は先月、都内の中小企業を束ねる東京商工会議所と連携することを発表。

日本女子大学生涯学習センター・坂本清恵所長「女性の人材が眠っていることを知っていただいて、これが一番大事だと思っています」

大学と企業が協力し合うことで生まれる相乗効果に、今後も期待が持てそうだ。