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女性管理職 “特有の悩み”相談できる?

2018年7月13日 17:11
女性管理職 “特有の悩み”相談できる?

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「女性新入社員の管理職志向は?」。女性のキャリア支援を行い、1児の母、そして経営者として活動の幅を広げている池原真佐子氏に聞く。

産業能率大学が今年度の新社会人に対し、「目標とする役職・地位」を尋ねたところ、「課長以上を目指す」と答えた女性が41.1%となり、2000年度以降、初めて4割を超えた。女性の管理職に対する意欲が高まっている様子がうかがえる。ネット上ではこんな声があがっていた。

「企業・社会がどう支援するかが大事」
「それぞれの目標にあわせ頑張ればいい」
「すべてを望むのは難しいのでは」


――この結果について、池原さんにご意見をいただきます。

キーワードは「メンター」です。メンターとは、仕事や人生でちょっと先を行く先輩で、助言をしてくれる存在という意味です。

女性が管理職を目指すのは、非常に良いことだと思います。管理職になると自信が高まるというデータもあるそうですが、管理職になった後、そのチャレンジを応援してくれたり相談に乗ってくれたり、あるいは女性特有の出産などのライフイベントと絡んだキャリアアップの相談をできる相手が、まだまだ社内には少ないです。

ですので、そういうメンターを社内で育てたり、いない場合は社外のメンターの力を借りたりして、女性の能力を伸ばしていくことが必要だと思っています。


――実際、責任の重い管理職の場合、子どもが熱を出したときなどは、どうすればいいのか本当にわからないです。

本来、男性も同じような課題意識で取り組むべきだと思いますが、まだまだ女性のほうが様々な負担もありますし、出産という体のこともあるので、そういうところで女性の上司やメンターが相談に乗ってくれると、心強いのではないかなと思っています。


――モデルケースが少ないというのが問題ですね。誰を目標にしていけばいいのか。

悩みますよね。目標もですし、具体的にどう日々を回していけばいいのか、どう人をマネジメントしながら育児・家庭のこともやっていけばいいのか…そういうことを相談できる相手が必要だなと日々感じています。


――複数のタスクを同時並行的にやっていかなければいけない“綱渡りの日々”ですが、具体的な解決策があれば教えていただきたいです。

先を行く女性メンターで、色んな苦難などを乗り越えられている方も社会にはたくさんいらっしゃいます。そういう方の知見をぜひ、次世代の女性につないでいくようなメンターシステムができたらいいなと思っています。


――具体的にはどういったアイデアがあるのでしょうか?

いま、育休からの復帰後どのように上司と付き合っていけばいいのか、あるいは理解のない上司に対してどうすればいいのか…という相談が多いのですが、そのようなことも先輩方が乗り越えられているので、知見をお借りするということがあるかと思います。


■池原真佐子氏プロフィル
女性のキャリア支援として、育児とキャリアの両立を目指す女性に対し、職場の外で相談に乗ってくれる“メンター”をマッチングする事業を行っている。また、自身も1児の母、そして経営者として活動の幅を広げている。


【the SOCIAL opinionsより】