大雨「特別警報」と避難すべきタイミングは
今回の豪雨は、大雨の特別警報が極めて広い範囲に出された。社会部気象・災害担当の牧尾記者が警報について伝える。
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■直ちに命を守る行動を取るよう強く求める「特別警報」
Q:今回の豪雨では「大雨特別警報」が11の府と県に出された。
重大な危険が差し迫っていると知らせるもので、出された時には、すでに災害が起きていると考える必要がある。実は、水害以外でも「特別警報」はある。気象庁は、「大津波警報」や震度6弱以上の「緊急地震速報」なども、「特別警報」と位置づけている。つまり、直ちに命を守る行動を取るよう強く求めるのが、この「特別警報」ということになる。
Q:それでは「大雨特別警報」が出た時には、すでに相当危険だということだろうか?
その通り。今回の豪雨でも、「大雨特別警報」が出てから、避難をしようとしても、もう外へ逃げられないケースが多くあった。
Q:避難すべきタイミングはいつなのだろうか?
自治体が出す避難情報の他にも、ヒントになる有効なツールがある。先週13日(金)、各地に「大雨特別警報」が出された日に気象庁がホームページで危険度分布を公開していた。この「土砂災害」以外にも「洪水」「浸水」の危険度分布があり、気象庁は、自分がいる地域が「薄い紫」になっていたら、すぐに避難して欲しいとしている。
豪雨当日、多くの方々が亡くなった東広島市では、午後6時半の段階で、避難が必要なことを示す「薄い紫」になっていて、「大雨特別警報」が出された午後7時40分には、すでに災害が起きていてもおかしくない「濃い紫」になっていた。この時にはもう、すでに救助要請が相次いでいて、避難が難しい状況だったとみられる。
Q:今後、他の地域でも、大雨の時はこの危険度分布を確認して、「薄い紫」のうちに、避難することが大切だ
その通りで、私たち1人1人が情報を取りに行くことも大切だが、国や自治体も今後、この「危険度分布」とリンクさせた避難情報の出し方について、具体的に検討していく必要があると思う。