“廃校の宿”全国に続々 食事は学校給食!
本格的な夏休みシーズンとなったが、使われなくなった学校を改修した宿が今月、新たにオープンした。このような宿は全国に広がっている。どんな魅力があるのだろうか?
一見、ただの小学校のように見える建物。しかし、教室の中にはベッドが並んでいて、壁には黒板がかけてある。実は、去年3月に廃校になった小学校を宿にした団体専用の施設。6年生の教室だった場所は桶が並んだお風呂場になっている。23日は勉強合宿のため、高校生の団体が宿泊していた。なぜ廃校を利用して宿をオープンしたのだろうか?
株式会社マイナビ 地方創生事業担当、横尾隆義事業部長「小学校って町の象徴だと思っているんですね。できれば象徴のところで 地域の活性だとかしてみたいと」
過疎化がすすむ千葉・長南町。そこでこの宿が地元の人と宿泊者の交流の場となることで、人が集まる流れを作ろうという。実は、全国で地域の魅力を発信する廃校の宿が広がりをみせている。
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山梨県にあるのは、明治・大正・昭和につくられた3つの廃校を利用した宿。看板には“おいしい学校”の文字。食堂では、実際に小学校で使っていた椅子と机を使っているので、小さくてひざがぶつかってしまう。机には女の子の顔の落書きもあった。
ここで提供されているのが、当時の味を再現した学校給食。ソフト麺をミートソースにからめる一品やきなこ味の揚げパンなど。懐かしい学校給食のお味は?
お客さん「おいしい。懐かしい。一番懐かしいのは、この先割れスプーン」
中には、はじめてソフト麺を食べた若い女性もいた。
20代のお客さん「(麺)めっちゃ軟らかいです。逆に新鮮でした」
このソフト麺を目当てに若い世代のお客さんが増えたという。
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和歌山県には、65年前の小学校がオシャレに生まれ変わった宿がある。中庭の先にある建物で様々な体験ができるという。
元々教室だった場所で、子どもたちが体験していたのはタルト作り。地元産のオレンジなどを使っている。そして、ランチは旬の地元野菜などをたっぷり使った30種類の家庭料理をビュッフェ形式で堪能できる。元々、小学校だったとは思えないレストランでいただくお味は?
宿泊客「すごくおいしいです。お野菜たっぷりで」「元小学校の施設もノスタルジックな雰囲気で懐かしい気持ちがして」
運営しているのは地元の農業法人。宿を開いた狙いをこう話す。
秋津野ガルテン、木村則夫副社長「(Q廃校を宿泊施設にした狙いは)これから農村も疲弊してくるだろうということで、都市の方に来ていただいて地域を盛り上げていこうと」
広がる廃校の宿。地域活性化の起爆剤となることが期待される。