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“統一教会”会長が再び会見 “政治家と手を合わせてきた”関わり認める 制止遮り主張続ける場面も

2022年8月10日 20:06
“統一教会”会長が再び会見 “政治家と手を合わせてきた”関わり認める 制止遮り主張続ける場面も

「世界平和統一家庭連合」、いわゆる“統一教会”の田中会長が10日、会見を開きました。数々の報道に反論し、教団の活動を正当化した一方で、「政治と関わってきたことは事実」と認めました。

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この1か月、世間の注目を浴びている、いわゆる“統一教会”。銃撃事件後、2度目の記者会見を開きました。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「社会の皆様にも様々にお騒がせしていることに、深くおわび申し上げます」

会見では、これまでの報道について反論を述べ、まず、多額の献金や霊感商法について、いずれも否定しました。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「財産に比しての高額な献金が行われないよう、徹底した努力を重ね今日に至っております。いわゆる霊感商法なるものを過去においても、現在も当法人が行ったことはありませんし、コンプライアンスの徹底につとめております」

これまで、被害対策弁護団は、去年までに相談された被害額が約1237億円としていますが――

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「メディアに出てくる弁護士団体は、案件のすべてを被害と断定して集計発表していますが、その内容は実に不正確であり不公正です」

続いて、2015年に文化庁に認められた教団の名称変更について、正体隠しの手段ではなく「文総裁(創始者・文鮮明氏)の意向」で、“政治的な力はなかった”と繰り返し強調しました。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「『悪いイメージを隠すために名称変更をした』と、いわば正体隠しの手段として名称変更をしたかのようにと報じられています。政治的圧力や介入があったかのような、一方的な臆測報道がなされていますが、事実ではありません。なんらの政治的介入や不正はありません」

この時点で、会見開始から約30分が経過していました。

司会者
「ミスター田中、ミスター田中。田中会長、そろそろちょっとスピーチの方、終わりにしていただいて…」

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「全部させてください。すべての友好団体は…」

田中会長は司会者の制止を遮り、その後も教団の主張を述べ続けました。

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会見開始から約50分後、質疑応答で相次いだのが、政治と教団の関係です。

――(教団が)政治的な影響などを与えてきたことはある?

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「政治に友好団体が強く姿勢をもって関わってきたことは、事実です。いまメディアで、私たちの友好団体とあるいは、当法人と政治家が関わったか関わらないかが問題視されていますが、むしろ私たちから見れば、共産主義問題に対して明確に姿勢を持っている政治家の皆さんとは、ともによりよき国づくりに向かって手を合わせてきたと思っております」

政治と関わってきたことを認めました。

――自民党全体、もしくは特定の政治家と積極的な連携は?

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「私たちの法人が特定の党と関係を持つ、あるいは特定の党のみを応援するという態度はとっておりません」

政治と教団の関係が焦点となる中、内閣改造と同じ日に会見が開かれました。

――岸田首相から自民党の党員に「教団から距離を置くように」「縁を切るように」と、その指示についてどう思われるのか

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「このたびの政権の判断が、どのような深い意図があって判断されているかまでは、私たちが言及する立場ではありませんが、当法人との関わり方が強く判断の基準に定められたというならば、それは至極残念なこと」

“教団に対する世論を考慮した可能性は否定できない”とした上で、「遺憾に思う」と話しました。