「警視庁から電話してます」警察かたる特殊詐欺が急増 「あなたが捜査対象に…」ウソに注意
警察をかたる特殊詐欺が急増しています。警察署で実際に使われている番号からかかってくるケースもあり、注意が呼びかけられています。
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3月27日、愛知県に住む女性にかかってきたのは。
「奈良県警からの捜査の協力要請を受けまして、東京の警視庁からお電話しております」
“警視庁の捜査員”を名乗る人物からの電話でした。
表示された電話番号は、下4ケタが「0110」。これは、警察署で実際に使われている番号です。
“捜査員”を名乗る人物
「奈良県内で起きた事件と聞いて、警察から連絡がくる心当たりなかったでしょうか」
女性
「ないです」
“捜査員”を名乗る人物
「全くないですか」
女性
「はい」
“捜査員”を名乗る人物
「事件のことで詳しくお話を伺いたいことがありまして、身分証をお持ちいただいて奈良県警まで出向いていただくことはできますか」
女性
「無理です」
「無理だ」と答えた女性。すると、この人物は“捜査中の事件”について説明を始めました。
“捜査員”を名乗る人物
「今回、奈良県警でタドコロツヨシという男を主犯格とする詐欺グループの事件の捜査を進めていまして、(女性の名前)名義の〇〇銀行のキャッシュカード1枚見つかりまして、資金洗浄に加担しているのではないかという容疑がかかっている。このタドコロツヨシとは、どういった関係でした?」
女性
「誰かも知りません」
“捜査員”を名乗る人物
「この電話で初めて名前聞きました?」
女性
「初めて聞きました」
“捜査員”を名乗る人物
「(女性のキャッシュカードが)いわゆるオレオレ詐欺の振込先の口座として利用されていたんですね。 被害者の方は(女性の名前)宛てで被害届を出されていまして、詳しくお話を伺いたいので今電話しているんです」
“特殊詐欺事件の容疑者になっている”と伝えられた女性。
女性
「こちらでも確認したいので、確認が終わったら電話するので電話番号を教えてもらってもいいですか」
「折り返す」と伝えると、突然、電話を切られました。
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最近急増している、警察官をかたった特殊詐欺。今年1月・2月で1039件発生、被害額は約106億円にのぼっています。
警察庁によると、まず「あなたが捜査対象になっている」などとしてLINEに誘導し、偽の逮捕状や偽の警察手帳の画像などを見せて信じ込ませようとするということです。
さきほどの女性は、これまでに3回、警察官をかたった不審な電話を受けたことがあるといいます。
電話を受けた女性
「最初の電話のときは、名前と住所を先に全部言われて、どきっとした。祖母にそういう電話があったら気づかないだろうなと思う」
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警察庁は、「電話で捜査対象になっているなどと伝えることはない」と注意を呼びかけています。