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ジャニーズ会見で記者「NGリスト」が……なぜ作成? 関係者「セカンドレイプにつながる」「人権に配慮」 専門家「失敗だった」

2023年10月6日 10:59
ジャニーズ会見で記者「NGリスト」が……なぜ作成? 関係者「セカンドレイプにつながる」「人権に配慮」 専門家「失敗だった」

ジャニーズ事務所が2日に開いた会見で、特定の記者に質問の指名をしないようにする「NGリスト」が存在していました。作成したのは会見を仕切っていたコンサルティング会社。運営担当者に背景などを聞きました。問題点がどこにあるのか考えます。

■作成は普通?…実際の対応はさまざま

有働由美子キャスター
「今回の(ジャニーズ事務所の)会見では、企業の不祥事の際などに会見の運営を委託されるコンサルティング会社が仕切っていました。この会社がNGリストを作っていたといいます。NGリストを作ること自体は普通なのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「メディア研究を専門としている上智大学の音好宏教授は『一般的にスムーズな会見やリスク管理のために、NGリストを提案することはあり得る』と指摘します」

「実際に会見の仕切りをしている別の会社に聞いたところ、『普通作らないでしょ!』とする会社があった一方で、『記者のNGリストを作成することは普通にある』と答える会社もあり、対応はさまざまなようです」

■会見運営の担当者に聞く…背景は?

有働キャスター
「今回の件で作った理由は何になるのでしょうか?」

小栗委員長
「会見の運営を担当した関係者は『人権に配慮した』と説明。これまでの会見で、二次被害やセカンドレイプにつながりかねない内容の質問があったため、としています。『2時間で多くの人に質問の機会を設けたいという思いがあった』とも言います」

「そのため(この関係者は)『NGというわけではないが、配慮すべき人をリストとして載せていた』と話しています」

■音教授「今回は適切ではなかった」

小栗委員長
「ただこの点について音教授は『今回は誠意を見せて幅広く質問に答える場としての会見で、NGリストを作ることは適切ではない。都合の悪い質問は受け付けずに今回の会見で逃げ切ろうとしていると思われても仕方がなく、結果的に会見は失敗だった』と言います」

有働キャスター
「確かに、公平にフェアにやっていますと言いながらNGリストがあった時点で、言っていることとやっていることが違うじゃないか、となると思います」

■会見では記者側が問われる部分も

有働キャスター
「一方で、会見では質問の前に自分の意見を長々と述べる記者もいて、そういった点では、私たちメディア側も問われますよね」

小栗委員長
「会見というのは、記者の力量が問われる場です。いかに的を絞った鋭い質問をして、相手から真実や本音を引き出すか。その技が、取材相手からも他の記者からも試されているため、私自身、どんな会見でも緊張して臨んでいました」

■廣瀬さん「極めて不誠実に感じた」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「会見に呼んでおいて質問を当てない、というのは都合の良い話だなと思いました。コンサル会社も本来の趣旨を理解できていないのではないかと感じました」

「NGリストだけではなく、質問の形式なども、主催者である事務所がきちんと主導権を持って進めるべきだと思うので、極めて不誠実に感じましたね」

有働キャスター
「信頼を回復させるための会見が、結局信頼を失墜させることになってしまいました。会見がフェアでなかったと疑われる以上、もう一度会見を行うのか、行うならどんな形でやるのか、さらに厳しい目が注がれることになります」

(10月5日『news zero』より)