“違法”オンラインカジノ、摘発者急増…「闇バイト応募」「借金8000万円」も 医師「破滅まで早い」【#みんなのギモン】
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そこで今回の#みんなのギモンでは、「吉本タレント“聴取”オンラインカジノとは?」をテーマに解説します。
山崎誠アナウンサー
「いま、タレントやスポーツ選手がオンラインカジノで賭けをしたとして問題となる事例が相次いでいます」
「1月20日には、卓球でオリンピックの銀メダリストにもなった丹羽孝希選手が、国内から海外のオンラインカジノで賭けをした疑いで千葉県警に書類送検されました」
「2022年からスポーツの勝敗予想などの賭けをしていたとみられ、賭けた金額は数千万円に上るとみられています」
山崎アナウンサー
「オンラインカジノは、スマートフォンやパソコンを使ってオンライン上でゲームなどを行い、その結果や勝敗に対して現金や電子マネー、暗号資産いわゆる仮想通貨を賭けるものです。勝てば儲かりますが、負ければ当然損をする可能性もあるものです」
「カジノと聞くとポーカーやブラックジャックなどのカードゲームのほか、スロットマシンといったイメージもあると思います。これらに加えてスマートフォンのパズルゲームのようなものや、スポーツや格闘技に賭けるものもあります」
「ただ、こういったオンラインカジノで賭博を行うことは全て犯罪にあたります。多くの業者が海外で運営しているとされていますが、日本にいる人がアクセスして賭けをしたら、誰でも賭博罪などに問われる可能性があります」
「もし有罪となれば、賭博罪は50万円以下の罰金または科料、常習性が認められる常習賭博罪なら3年以下の懲役と定められています」
森圭介アナウンサー
「いま、スマートフォンを使ったアプリやゲームはたくさんあります。そういったアプリやゲームと同じ感覚でやってしまうと、本当に危険だなという気がしますよね」
「オンラインカジノで客として摘発される人は急増しています。警察庁によると、2023年までは多い年で60人程度だったのが、去年は暫定値で前年(53人)の3倍以上の162人になりました」
鈴江奈々アナウンサー
「急に増えていますね」
山崎アナウンサー
「国際カジノ研究所による最新の調査では、日本国内からオンラインカジノで賭けたことがある人は推計で約346万人に上ります。ここ3年で急増しているということです」
森アナウンサー
「摘発者が氷山の一角ということですよね」
鈴江アナウンサー
「ごくわずかの可能性があるということですよね」
山崎アナウンサー
「オンラインカジノにハマってしまうのは大人だけとは限らないんです。ギャンブル依存症からの回復に取り組む神奈川・横浜市のデイケアセンターぬじゅみでは、『子どもが借金を抱えた』という親からの相談が増加しているというんです」
「電話相談のメモには、『大学生の娘がネットカジノにハマってしまい、700万円ぐらい使ってしまった』といったものもありました」
施設長の金山歌代さん
「(オンラインカジノによる借金が)全部合わせて7000万~8000万円という家族もいます。(借金をした本人が)『若さもあるのでまだまだ自分でどうにかする』と言って…」
鈴江アナウンサー
「7000万円という額はちょっと信じられません。インターネットのゲームのアプリなどでも、子どもが課金しないかなと気をつけたりしています。知らないところでオンラインカジノにハマってしまって、ここまでお金が膨らんでしまうというのは怖いですよね」
桐谷美玲キャスター
「日々の買い物もキャッシュレスになっていることが多くなっているので、お金を使っている感覚が薄れているのかなという気もするんですよね」
「子どもからお年寄りまで皆さん持っているスマホで簡単にできてしまうので、どこで陥ってしまうかわからないのは怖いなと思います」
山崎アナウンサー
「以前のように現金で何かやり取りをしてお金の存在を確認するということもなかなか難しくなりましたし、子どもがスマートフォンやタブレットを触っていて、それが何に使っているかも確認しづらくなってきていますからね」
山崎アナウンサー
「以前取材に答えてくださった20代のハヤトさん(仮名)は、オンラインカジノを始めてからわずか4か月で300万円もの借金を抱えてしまったといいます」
「きっかけはSNSで見た広告。好きなサッカー選手が写っていて、『初回限定キャッシュバック』『ボーナス』といった特典が目についたそうです」
「少額ならばと最初は1000円。すぐ満足できなくなり、1万円、10万円と増えて、何のちゅうちょもなく入金するようになり、気づけば『生きてきた中でこれほどのめり込んだものはない』という状態に。何にも代えがたい刺激だと思うほどになってしまったそうです」
「オンラインならではですが、スマートフォン1つでわずかな時間で大きなお金を動かせるスピード感が1つの要因になっているということです。ギャンブル依存症の治療に携わる大石クリニックの大石雅之院長に聞きました」
「大石院長は『オンラインカジノは依存症の発症から破滅に至るまでが非常に早い。いつでもできてしまうし、金額も無制限なので本人が止まるチャンスが非常に少ない』と警鐘を鳴らしています」
山崎アナウンサー
「都内にある『ギャンブル依存症問題を考える会』には、オンラインカジノでお金に困り、闇バイトに応募してしまったという相談も寄せられています」
鈴江アナウンサー
「悪循環ですね」
山崎アナウンサー
「こうした負の連鎖が続いてしまうという状況です。中には銀行口座の売買や出し子・受け子などの闇バイトに手を染めてしまった若者もいるということです」
森アナウンサー
「スマートフォンを見てやっているだけだと、周りから見ると、まさかオンラインカジノにハマっているなんて思いもしないじゃないですか。周りが止めるのも難しい、気づきづらいという部分もありますよね」
鈴江アナウンサー
「親が気づけないですよね」
刈川くるみキャスター
「そうなると、自分一人が法を犯すだけではなく、闇バイトなどで自分が犯罪の加害者になってしまう可能性もあります。まず一歩を踏み出さないというところが大事ですよね」
山崎アナウンサー
「そうですね、意識を持つことが大事です。具体的にどんな対策がいいのでしょうか?」
「国際カジノ研究所の木曽崇所長によると、日本で本格的な対策が始まったのは2022年末ぐらいからで、それまでは、そもそも違法であるという認識が低かったということです」
「オンラインカジノで国内から賭けをしたら犯罪にあたります。木曽さんも『捕まるんだ、ダメなんだ』と認識することが大事だとしています」
「海外では違法サイトへの利用者の接続を防ぐ『ブロッキング』も行われているので、日本でも政府がブロッキングを含めた対策を考える必要があると木曽さんは指摘しています」
鈴江アナウンサー
「そこにアクセスできないようにすることも大事ですし、現状としては違法性などを疑わないような形で誘導されてしまう情報もあふれているので、そういったものが野放しの状態でいいのかなと疑問を持ちます」
「親としても子どもたちに、そういった危ないものがあるんだよと、ちゃんと伝えないといけないですね」
山崎アナウンサー
「警察庁の捜査幹部も、『オンラインカジノの問題については関係省庁や事業者と連携して対策していく必要がある』とコメントしています」
(2025年2月6日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)