「ライドシェア」各地で導入の動き…“タクシー不足に悩む街”で講習会 夜が変わる?
一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」。各地で導入の動きが広がっています。タクシー不足に悩む街では、ドライバーに応募した市民への講習会が5日から始まりました。
◇
タクシーにまつわる、こんな経験ありませんか?
70代
「買い物の帰り、荷物が重くなったりしたとき。でもなかなか“つかまらないこと”が(あった)」
主婦(50代)
「終電降りたらダッシュで並ばないと。一人でも早く前に並ばないと、という状況なので」
“タクシーがなかなかつかまらない”。背景にあるのはタクシードライバーの減少と高齢化です。
そんななか、神奈川・三浦市で5日に行われていたのは…
講師
「移動サービスの運転に必要な知識と心構えについて、ちょっとお話ししたい」
“自治体版のライドシェア”のドライバーになるための講習です。受けていたのは、飲食業界で働く人など3人の三浦市民です。
一般のドライバーが、自家用車を使って有料でお客さんを目的の場所まで運ぶライドシェア。神奈川・三浦市では自治体が主体となり、今月17日から実証実験をスタートします。
実は三浦市には“夜”に問題がありました。今月2日、三崎港のスナックにいたお客さん。ここは最寄り駅から約4.5キロ離れた場所です。
バスに乗るお客さん
「たぶんもうそろそろ…(最終のバスが)10時2分」
気にしていたのは、駅に向かうバスの最終便です。楽しい時間を早々に切り上げて、バス停へと向かいます。走っているタクシーはほとんどなく、バスに乗り遅れると帰る手段はありません。
バスに乗るお客さん
「だからライドシェアとかがあれば…」
このように夜間の交通手段が限られているため“夜間専用のライドシェア”(午後7時~午前1時)を始めようとしているのです。
飲食店も、市のライドシェアに期待を寄せています。
魚料理 百味 店主
「前は(営業を)10時までやっていたんだけど、今はタクシーが少ないから9時前後には閉めるようにしている。ライドシェアが復活すれば、また10時までには戻すつもり。とにかく成功してほしいは、してほしいですね」
とはいえ、気になるのは安全面についてです。
現役タクシードライバー・講師
「一般の道路を走ります。道路交通法をしっかり守って、安全な運転につとめていただきたい」
三浦市の講習では、座学に加え、現役タクシードライバーが“人を乗せて走る運転方法”をしっかりと指導します。
現役タクシードライバー・講師
「できてました? できてなかったよね? どう?」
時には厳しい言葉もかけます。
飲食業界で働く ライドシェアドライバー志望(40代)
「ドライバーの仕事自体はやったことがないので、少し不安はあったんですけど勉強になりました」
◇
自治体が行うライドシェアだけでなく、タクシー会社が運行管理をする、新たなライドシェアも、今月から東京・横浜・名古屋・京都でスタートします。東京都内は4月8日から始まる見通しで、タクシー不足の地域や時間帯を限定して行われるということです。
こんな広がりも…。タクシー配車アプリを提供する「ウーバージャパン」は5日、ライドシェアのデモンストレーションを公開しました。
利用者はアプリで目的地を入力し、運賃を確定させた状態で乗車します。ドライバーはタクシー会社と契約を結び、リモートで点呼やアルコールチェックを行ってから勤務するということです。
“普通の人”の力を借りて動き出していくライドシェア。タクシー不足の解消につながるのでしょうか。