“迷惑行為”撃退セヨ!困った観光地の奇策
レトロな街並みとして人気を集める観光地。しかし、人気が高まるにつれ、外国人観光客による迷惑行為が増えている。また、ある観光地では、夜中に若者が集まり迷惑行為を繰り返しているという。困った地元がたてた奇策とは?
◆レトロな街の、困った外国人観光客
大阪の繁華街・梅田からもほど近い中崎という地区は、近年、外国人観光客が増加しているという。そのお目当ては、大正時代に建てられた家屋が残る、レトロな街並みの写真を撮ること。
雑貨店経営「外国人の方は増えているかなと。自分と建物が写っているのを、インスタなりフェイスブックなりであげたりとか」
写真をSNSにあげるのがトレンドのようだ。しかし、民家の許可をとらずに撮影をする人が多く、こうした事態に町は頭を悩ませている。
さらに──
済美連合振興町会 南順之介会長「ランドセル背負った子は珍しいわけですね。その写真を撮って回ると。1人の子を追っかけ回して、大勢で」
観光客を怖がってしまう子どももいるという。
済美連合振興町会 南順之介会長「我々も注意しようにも言葉がわからないので、注意しようもない」
町は、児童の顔を撮影しないよう、3か国語のポスターで対策をするが、なかなか浸透しないのが現状だという。
また、合掌造りの家屋で有名な岐阜県の白川郷では、近年、外国人観光客が無断で民家の敷地に侵入してくるケースが続出。そこで、地元の保護団体は、柵の設置を推奨し、購入費の半額を補助しているという。
◆風情あるダムに“心霊スポット”のウワサ
一方、埼玉・群馬の県境にある下久保ダム。風情ある広大なダム湖は、まもなく紅葉も見ごろ。ご当地ヒーロー“鬼神戦隊ダムセイバー”も登場し、今、盛り上がりを見せる観光地だ。
しかし、近年、地元の人が困惑する事態が起きている。
辺りが暗闇に包まれた深夜に、自撮りをする若者たち。この雨の中、一体何を──?
肝試しに来た人「心霊スポット行きたいなって」「赤い橋っていう真っ赤な橋なんですけど、そこが結構(心霊)スポットらしくて」
このダムを“心霊スポット”だといい、肝試しに来ていた。しかし…
下久保ダム 菊地滋男所長代理「私たち職員も、50年間勤めていますが、霊であるとかは一切見たことございませんので」
ダムの管理者によると、下久保ダムが心霊スポットだというウワサは全く根拠のない話だという。さらに、夜中に集まった一部の人が迷惑行為をすることがある。
下久保ダム 菊地滋男所長代理「空き家に懐中電灯を持って侵入したり、窓ガラスを壊されてしまったり、迷惑行為もあります」
地元の住民「若者が来て花火やるとかはありますね。しゃべったりする声が結構上にあがってきたりする」
◆“心霊のウワサ”撃退するのは“ダムセイバー”!
そこで、ダムの管理室が対策を考え出した。車が通過した途端、突然、軽快な音楽が聞こえてきた。
♪ダムセイバー 希望をひとつに集めて~
実はコレ、先ほどのご当地ヒーロー“ダムセイバー”のテーマ曲『ウォーターファンタジア』。明るい音楽で、心霊スポットのウワサをかき消すという撃退策なのだ。
肝試しに来た人「ハキハキした歌でしたね。あれ聞いたら、ちょっと帰ろうかなと思いますね。すごい元気な音楽なんで、(心霊スポットの)イメージとずれちゃっている」
ヒーローソングで雰囲気も一変。心霊関連のウワサも減ったという。
“ダムセイバー”『下久保ダムの平和は、俺たちが守るぜ』