“花粉症に効く”健康茶からステロイド検出 「飲んだら受診を」国民生活センターが注意喚起
“花粉症に効く”などとして売られていた健康茶に、食品での使用が禁じられている医薬品成分の「ステロイド」が含まれていることがわかりました。国民生活センターは、このお茶を飲用した場合は、医療機関を受診するよう呼びかけています。1か月間飲み続けたという30代の男性が、問題となったお茶について語りました。
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花粉症に悩む30代の男性が見せてくれたのは、“花粉症に効く”とうたわれ、ネットで話題となった健康茶「ジャム―・ティー・ブラック」です。
購入した男性(30代)
「SNSとか芸能人の間で口コミで広がった『花粉症になぜか効く』というお茶ですね」
大阪の会社が販売するこのお茶は、一袋、約6000円するといいます。
男性はこのお茶を1か月間飲み続け、花粉症の症状は改善したといいますが…
購入した男性(30代)
「結局、病院を受診しなきゃいけないということで、病院の予約をいれました。健康にリスクがあるというところで、若干の不安を今、抱えた状態です」
「正直、めっちゃくちゃビックリして。『良薬口に苦し』じゃないですけど、苦さと値段の高さと引き換えに効果が出ていると思っていたので…」
医療機関を受診することになったワケとは――
国民生活センターは「商品を調べた結果、医薬品成分のステロイドが含まれていました」と発表しました。お茶の成分を分析したところ、ステロイドの一種「デキサメタゾン」が1グラムあたり、3マイクログラム検出されたというのです。
「デキサメタゾン」とは、炎症を抑える作用があり、アトピー性皮膚炎などに使われる医薬品の成分です。けいれんなどの副作用があるとされていて、食品での使用が禁じられています。国民生活センターは、商品が「無承認無許可医薬品」に該当するとして、販売元に対し直ちに販売を中止するよう要望しました。
13日、販売元は「ご購入していただいた皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫びいたします。製造会社に混入経路を確認したうえで、その結果を弊社のホームページで改めてご報告する予定です」と謝罪しました。なぜ、混入したかは、わからないとしています。
13日夜、「news zero」は販売元に取材を試みるも、電話はつながりませんでした。
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この健康茶、問題は“パッケージなどの表示”にもありました。
購入した男性(30代)
「パッケージに『効果が出たと感じたら、飲むのを止めます』って記載されてるんです」
飲むタイミングが指定され、さらに、花粉症への効果について、説明書には「このお茶を飲んで治る人が存在するのです。何故、効くのかは解りません」と記載されていました。
国民生活センターによると、こうした記載が、医薬品的な効能効果や用法用量と受け取れるとして、医薬品医療機器等法上、問題となるおそれがあるとしています。
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知らない間にステロイド成分の「デキサメタゾン」を摂取することの怖さについて、専門家に聞きました。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「何か月も飲み続けた後に急にやめると、離脱症状が考えられる。ステロイドが切れてしまうわけですから、非常に疲れやすくなって、感染に弱い状態が続くと。ダルくて立ち上がれない状態になってもおかしくないと思うんですよね」
国民生活センターは、このお茶を飲用した場合は医療機関を受診するよう、呼びかけています。
(4月13日放送『news zero』より)