花粉症対策で「ハクション議連」も……“10年に1度”の飛散量 個人消費の損失3831億円か 「もはや社会問題」で国も本腰
今年の花粉飛散量は10年に1度と言われ、個人消費が3800億円以上押し下げられるとの試算もあります。「ハクション議連」が復活し、政府も関係閣僚会議を開くなどして本腰を入れます。国民病とも呼ばれる花粉症。どんな対策がなされるのでしょうか?
■与野党の幹部クラスで「議連」復活
有働由美子キャスター
「『ハクション議連』と呼ばれるものが4月、14年ぶりに復活することになりました。ハクション大魔王は知っていますが、議連は何をするのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「花粉症の国会議員を中心に与野党の幹部クラスが顔をそろえたもので、『花粉症対策を何とかしたい』としています」
■花粉量の増加で個人消費に損失
「というのも、今年は10年に1度の花粉飛散量と言われています。環境省による推定では、今や国民の3人に1人が花粉症(スギ花粉)に悩まされています」
「第一生命経済研究所・永濱利廣首席エコノミストの試算によると、今年1~3月で個人消費が3831億円ほど押し下げられる可能性もあるほどです」
「花粉の量が増えると外出控えが起きて外食や旅行、衣服などの消費が減ります。治療費など消費が増えるものもありますが、社会全体で見ると損失の方が相対的に大きいということです」
■花粉症の会社員「薬代の負担が減れば」
小栗委員
「実際、街ではこんな声が聞かれました」
花粉症歴10年の学生(18)
「ディズニーランドに友達と行ったんですけど、目がかゆくて涙も出て、それどころじゃなかったです」
花粉症歴約10年の会社員(22)
「薬飲んでも効かないので。花粉がすごい時は」
花粉症歴5~6年の会社員(28)
「(毎月)2000~3000円くらい。お薬代が結構かかってしまうので、その負担が減ればな…」
有働キャスター
「もう他人事ではないですし、年々大変になっているような気がします」
■「花粉症手当」導入する企業も
小栗委員
「本当につらいですよね。それだけに中には『本当に仕事にならない』ということで、花粉症手当なるものを導入する企業もあります」
「健康管理システムを開発するラフールでは、病院や薬の費用を会社が負担する制度(上限5000円)を取り入れ、花粉症対策グッズも無料で支給しているということです」
■関係閣僚会議で話し合う対策は?
有働キャスター
「これだけ多くの人が苦しんでいる中で、政府はどうしようとしているのでしょうか?」
小栗委員
「岸田首相も『花粉症はもはや我が国の社会問題だ』と話していて、14日には関係閣僚会議を開く予定です。具体的には、花粉が少ないスギへの植え替えや、効果的な予防法・治療法などについて話し合うといいます」
「ただ木を伐採するだけでは水害や山の崩壊の原因になりかねないので、植え替えが必要ですが、当然時間がかかります」
「一方、予防法・治療法については、ある官邸関係者によると、例えばアレルギーの成分を少しずつ数年かけて体に入れて慣らしていく『舌下免疫療法』に補助金を出すことはある程度早くできるのではないか、などと話しています」
「この関係者は花粉症対策について、今回は『本腰を入れないといけない』と前向きでした」
■辻さん「パフォーマンス低下は深刻」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「花粉症と低気圧と生理のフルコンボみたいな時もあって、仕事のパフォーマンスも本当に落ちるので深刻だなと思っています。実際に国が補助してくれるなら本気の治療もやりやすくなる、という人も増えていきそうですよね」
有働キャスター
「ちょっとでも症状が和らいでほしいというのが患者さんの願いだと思いますので、掛け声倒れにならないよう、できれば来年の春に間に合うような具体的な対策をやってほしいなと思います」
(4月12日『news zero』より)