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【解説】台風21号、今後の進路と特徴

2018年9月4日 18:19
【解説】台風21号、今後の進路と特徴

台風21号の今後の進路と特徴について気象予報士の木原実が解説する。

台風21号は、25年ぶりに非常に強い勢力で上陸した。4日午後5時現在の位置を見てみると、早くも日本海を進んでいる。

雨雲の実況を見てみると、台風の中心よりも東側・南側にまだ活発な雨雲が残っていて、雨を降らせている。台風の雨により土砂災害が起こりやすくなっていて、現在、土砂災害警戒情報が近畿、四国に出されている。

【台風21号の特徴】

ほぼ2週間前に上陸した台風20号は、同じく徳島に上陸したが、その時の情報と今回の情報を比べてみると、今回の台風の方が中心の風が強く、また暴風域が広く、速度が速い。

つまり、21号は、すぐ近くに来るまでは風もさほど強くないように感じるが、近くにくると急激に風が強まり、あっという間に天候が変わる危険な特徴を持ちながら近畿を縦断した。

しかも、この風によって吹き寄せられた海水が、高潮になって沿岸部を襲った。記録的な潮位も観測されている。

【今後の進路】

4日午後5時現在、台風の中心は日本海上にあり、時速65キロとさらに速度を上げて北上中。今後は、さらに速度を上げて北海道の西の海上を進む見込み。

この先の雨の予想を見てみると、活発な雨雲が東日本に広がるのと別に、近畿地方に残る雨雲の列がある。台風が通過した後の地域も雨が続く見込みで、引き続き土砂災害や浸水害などに警戒が必要。

5日夕方までに予想される雨量は、東海で300ミリ、関東甲信で200ミリ、北海道で180ミリ、北陸、東北で150ミリ、近畿で100ミリ。

5日にかけて予想される最大瞬間風速は、近畿、東海、北陸で50メートル、北海道、東北で45メートル、四国、中国、関東甲信、伊豆諸島で35メートルなどとなっている。

さらに5日にかけて予想される波の高さは、東海で10メートル、近畿で9メートル、伊豆諸島で8メートルなどとなっている。暴風や高波、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫、高潮による浸水に厳重な警戒が必要。

暗くなってから台風の影響が出る地域もある。もう動けないと思った場合、土砂災害や浸水の被害があると予想される地域の皆さんは、あればご自宅の2階に避難、突風などの被害が予想される皆さんは、1階、あれば地下の窓のない部屋に避難してください。