夏の自由研究に“母のがん”を選んだ小学生
自分の母親が“がん”だった――がんという病気をもっと知ろうと、小学6年生の女の子がこの夏休み、自由研究のテーマにがんを選んだ。
小学校6年生の彩楓(さやか)さんの母親・由紀さんは3年前、気管支に“腺様嚢胞(せんようのうほう)がん”というがんが見つかった。現在、抗がん剤などで治療中だ。母のがんを知らされた時、彩楓さんは“死”を連想してしまい不安になったという。
彩楓さんは病気について正しく知るために、自由研究の題材にがんを選んだ。完成させたのは、30ページに及ぶ冊子だった。病気については、細胞を擬人化して表現した漫画で説明している。
自由研究では母が通院している病院を訪ね、親ががんを患う子どものために企画された病院探検に参加。彩楓さんは看護師に一生懸命質問していた。
別の日、母親と一緒に参加したのは、がん経験者やその家族と、病の向き合い方を話す集まりだ。参加者からはこんな意見があがった。
「ちゃんと向き合って治療していけば、全然怖くないと思います」
「がんってみんな怖いとか悪いイメージがあると思うけど、考え方を変えてみるといいかもしれない」
彩楓さんも、「がんは治らない病気とか思っている子どもが多いので、イメージを変えようと思って」と意見を述べる。
冊子には、こうした集まりで聞いた当事者の声もまとめた。
「死を受け入れてしまっていたが、皆さんの体験を聞いて前向きになれました」
彩楓さんは、冊子を作りあげて得たものについてこう話す。
「めっちゃ達成感があって、命の大切さがわかり、いい体験だった」
そして、完成した自由研究を見た由紀さんは――
「すごいうれしいです。成長を感じ、感心しました」
【the SOCIAL lifeより】