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グランピング、水族館…“廃校”進化で活気

2018年9月26日 19:58
グランピング、水族館…“廃校”進化で活気

少子化の流れとともに廃校となる学校が増える中、ユニークな取り組みも広がっている。廃校を利用したグランピング施設が関東などで相次いでオープン。そこでは、どんな体験ができるのだろうか。

◆ラグジュアリーな“グランピング施設”に

廃校になった木造の小学校。かつて校庭だった場所には、白いテントが。実はここ、長崎県五島市で27日にオープンするグランピング施設『Nordisk Village Goto Islands』だ。ホテルなどを運営する会社が手がけていて、テントの中は、まるでホテルの様なラグジュアリーな空間に。(1部屋1泊2食付き 4万1040円~)

藤田観光・伊勢宜弘専務「7月に世界遺産登録があり、世界の各地に五島の情報を発信していきたいので、五島の地を選んだ」

今、オシャレに進化した廃校が続々と登場。全国的に広がりをみせている。

◆“水上コテージ”はプールを活用

栃木県の茂木町には、昭和9年に建てられ廃校となった木造校舎が。かつて小学生が学んでいた教室は、当時の面影を残したまま。そして、先月、新たにオープンした宿泊施設が、水上コテージの宿『昭和ふるさと村』。夕暮れ時には、まるで海外のリゾートのような景色に…。

しかし、水面をみてみると、実はプールなのだ。

プールサイドに建てられたテントの中にはベッドが置いてあり、エアコン付きで、1年中、快適に過ごすことができる。

そして、水辺でバーベキューを楽しむことも。たき火をしているのは、かつて子どもたちがプールの前に消毒液に漬かっていたスペース。このグランピング施設、キャンプ場などを手がける会社が町から小学校を借りて、運営している。(グランピング1泊2食付き 1人8360円~ ※宿泊は2人~)

昭和ふるさと村・中村利美支配人「土日については(グランピングの予約)年内いっぱいの状態で」

◆“水族館”はオープン5か月で8万人超

全国で増えている廃校。子どもの減少と共に、10年ほどで約6800校が廃校となっている。そのうちの約6割が、地域の交流の場などとして新しく生まれ変わっている。(2002年~2015年 文部科学省調べ)

今年4月、高知県にはこんな施設も登場した。

跳び箱をくりぬいて展示していたのは、なんと、金魚。ここは、廃校を利用した水族館『むろと廃校水族館』だ。海洋生物を調査・研究するNPO法人が運営をしている。(大人 600円、小中学生 300円)

一番の見どころは、水槽として生まれ変わったプール。ウミガメや、頭がハンマーの形をしたシュモクザメが泳いでいる。

口コミで人気に火がつき、オープンから5か月で既に8万人以上のお客さんが訪れた。展示されている生き物は、約80種類1000匹。実は…。

むろと廃校水族館・若月元樹館長「漁師からもらったり、あと一般市民が魚釣って食べないの持ってきたり、どんどん集まってきます」

水族館の魚は、地元の漁師らから無料でもらっている。この日、沖から戻ってきた船に積まれていたのは、エイなどの魚。その後、すぐに廃校水族館へと届けられていった。

漁師らが無料で提供するのには、ある“狙い”があった。

定置網漁業をする 椎名大敷組合・橋本健さん「過疎化で働く人がいなくなったので、定置網漁業に興味をもってくれれば。こちら(室戸市)の方に『いい所だな、住みたいな』となるのが一番の最終目的」

進化する廃校。若い世代が集まり、町が再び、活気づいている。