南海トラフ地震 プレート境界で掘削調査へ
海洋掘削船「ちきゅう」が、南海トラフ巨大地震を引き起こすプレートの境界まで掘り進むという世界初の調査に向けて10日朝に出航した。
10日に出航した、JAMSTEC(=海洋研究開発機構)の掘削船「ちきゅう」が向かうのは、南海トラフがある紀伊半島の沖合75キロの地点。深さ2000メートルの海底からさらにその下5200メートル、巨大地震の発生源であるプレート境界まで来年の冬にかけて掘り進め、岩石などを採取する予定。
JAMSTEC地球深部探査センター・倉本真一理学博士「人類で初めて巨大地震を発生させる物質を取り出す。そこにどれだけの力が現在加わっていて、あとどれだけの力を加えたら破壊に至るか、つまり地震を起こすのかということが世界で初めてわかるはず」
掘削中の穴が崩れたり台風が接近するなど困難も予想されているが、地震を引き起こす岩盤そのものを取り出し、今後の防災研究へ生かす試みに、世界から注目されている。