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サバ缶ブーム続く中 サバ不漁の影響は…

2018年10月16日 19:34

生産が追いつかないほどのサバ缶のブームが続く中、心配な事態が起きている。国内外でサバが不漁となっていて、高値が続いている。いま海で、何が起きているのか。

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輸入食品などを扱うチェーン店には、水煮やみそ煮などの定番はもちろん、真っ赤な缶に入ったチリソース味や、レモンバジル味など、洋風なサバ缶も並ぶ。

KALDI仙川店・土居弥生さん「5月くらいから販売開始しまして、8月くらいには、すごく売り上げが伸びた」

中でも、パッケージもおしゃれな、この店オリジナルのサバ缶は、5月から8月の4か月で、売り上げが5倍ほど急増。生産が追いつかず、一時は販売を休止するほどの売れ行きだったという。

KALDI仙川店・土居弥生さん「(お客さんは)やはり女性の方が多いかと思います。ヘルシーなので、食事面など気にされる方が多く買われていきますね」

いまだ衰えを知らぬサバ缶ブーム。一方で、その原料であるサバに、今年ある心配な事態が起きている。

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バラエティー豊富な定食を提供するチェーン店では、売り上げトップ5に入るというサバを焼いた定食に加え、今年7月からサバを使った新メニューも投入。

スーパーなどでも大半を占める、ノルウェー産のサバなどを使用しているというが…。

大戸屋 広報・岩熊英一さん「2割くらい漁獲量が減っているというふうには伺っています」

輸入業者によると、今年はノルウェーのサバの漁獲枠が例年より2割ほど減っている上、産地で天候不順が続き不漁になり、例年に比べ、高値で取引されているという。

店では、現状、値上げは検討していないが…。

大戸屋 広報・岩熊英一さん「長期的に(仕入れ)価格が上がると、お客さまに迷惑がかかると考えられますので、まずは状況をしっかり見守っていきたい」

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そして、これから旬を迎えるのが国産のサバ。東京・築地の鮮魚店では16日、青森県八戸産のサバを1匹2000円で販売していた。

斉藤水産・斉藤又雄社長「通常(この時期)ですと1500円、安い時で1000円くらい」

例年の倍近い値段で、市場に出回る量も減っているという。

斉藤水産・斉藤又雄社長「サバで2000円というと、僕らも気が引けますね」

売る側も気が引けるというほどの国産サバの高値。漁の最盛期を迎えている青森県八戸市の漁港を訪ねた。すると意外にも、網かごいっぱいのサバが続々と水揚げされていた。特に影響はなさそうだが、漁師に話を聞いてみた。

八戸漁港の漁師、天王丸・佐藤新也さん「前に比べたら、サバの出る時期は遅くなっている。サバが今とれないので、苦しいところもある」

漁業情報サービスセンターによると、三陸など、この時期の主要な産地の、先月の漁獲量は、去年の6分の1ほどにまで落ち込んだという。その原因は、暖かい水を嫌うサバが三陸沖などに近寄らなかったためだという。

八戸漁港の漁師、天王丸・佐藤新也さん「水温が暖かくなってきている」

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今後を心配する声は、地元からも上がっている。県外からもサバ缶目当てに客が訪れるという八戸市のみやげ店では、現状は十分なサバ缶を確保できているというが…

創季屋・中村まゆみ店長「サバブームでぐっと伸びてる。するとやはり、みなさん、在庫を確保する。新しくとれたサバが缶詰になるまで、どれくらい在庫があるのか、ちょっと微妙なところですね」

サバ缶ブームが続く中、今後、不漁が長引いた場合は、産地でも必要なサバを確保できないという懸念が出てきているという。

しかし、今後に向けて明るい情報もある。漁業情報サービスセンターは、「水温が下がってきたため、冬にかけての主要な漁場ではサバ漁が上向く期待はある」と分析。今後の動向が注目されている。

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