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“機内食”新メニュー開発の裏側…工夫は?

2018年11月21日 19:37
“機内食”新メニュー開発の裏側…工夫は?

飛行機にのった時の楽しみの1つが「機内食」。その開発の裏側に迫った。目をつけたのは、「ご当地カレー」。味付けへのこだわり、そして機内に持ち込むための工夫とは?

◆「機内食総選挙」で地方の味を厳選

21日、都内のホテルに9体のご当地キャラクターたちが集まった。一堂に会したのには、あるワケがあった。

行われていたのは、今年で6回目となる「ANA機内食総選挙2018」。これは、実際の機内食として提供されるメニューを、誰でもインターネットで投票することができるもの。今年のテーマは「地域振興」。地方の味や文化を国の内外に発信する全日空の取り組みだ。

今回、新たに開発されたのは、中国・四国地方9県の「ご当地カレー」。この中から今年の機内食が選ばれる。今回集まった投票数は、過去最高となる約3万票。注目の総選挙の結果は──

第3位に選ばれたのは、岡山の牡蠣(かき)を使った牡蠣醤油(しょうゆ)が隠し味の「牡蠣醤油のシーフードカレー」。第2位は鳥取産の「大山どり」を使ったボリューム満点の「大山どりのカツカレー」。そして、徳島のソウルフード「フィッシュカツ」と歯ごたえのいいレンコンが入った「フィッシュカツとレンコンのカレー」が9405票を獲得し、見事、1位に輝いた。

シェフ「ご当地の食材に合わせて、カレーの素材だけでなくカレーのルーにも隠し味を加えるなど、こだわりを詰め込みました」

一体、どのようなこだわりなのだろうか。

◆ご当地カレーに詰め込まれた“こだわり”

結果発表の2週間ほど前の今月8日、開発の現場である「ANAケータリングサービス」川崎工場を訪ねた。この日、総選挙の担当者らが機内食として提供するために味付けなどの最終調整をしていた。

全日空商品戦略部・佐々木正典氏「お子様でも召し上がっていただけるような味付けに、若干(辛みを)落としてもらえると」

シェフ「調整をさせていただきます」

また、こんな意見も──

全日空商品戦略部・村山友崇氏「“大山どり”って供給が限られているかなと思うんですけど、調達の方は大丈夫ですか」

ANAケータリングサービス・水守尚士氏「今回、それを見越して開発しているので、特に問題ございません」

◆機内食ならではの工夫も…

エコノミークラスの機内食は、1か月あたり約3万食。安定した供給ができる食材選びが必要だ。シェフに1位の徳島県のカレーのこだわりを見せてもらった。

シェフ「こちらは、コンデンスミルクです。(味を)マイルドに仕上げるために、少し隠し味で」

隠し味以外に、機内食ならではの工夫も。

ANAケータリングサービス・田口公也シェフ「一度、冷却しまして、(提供される際に)また再加熱するので、(食材の)水分が出てしまう、色がとんでしまうなどの懸念事項が多い」

水分で味が薄くならないような調整や、色がはっきりした食材を使っているという。

全日空商品戦略部・村山友崇氏「中国・四国地方の魅力や、食材のおいしさを感じていただければ」

上位3つの機内食は、来年3月から5月までの日本発の国際線の一部の路線で、エコノミークラスなどで提供される。