上野にある幻の駅が公開 旧博物館動物園駅
かつて、東京・上野公園の中に存在した鉄道の駅が、期間限定で一般公開されている。アート空間として生まれ変わった駅、どんな駅なのだろうか?
京成本線を走る電車の車窓。上野駅に近づくと見えてくる停車することのない幻の駅。地上には西洋風の荘厳な駅の入り口“旧”博物館動物園駅。長年、閉鎖されてきたが、期間限定で一般公開されることになった。上野駅から成田空港を結ぶ京成本線。京成上野駅と日暮里駅の間に位置する。
1933年、京成本線の日暮里~上野間の開通とともに竣工(しゅんこう)した。近くの博物館や動物園へ乗客を運んできたが、出来てから64年後の1997年乗降客減少のため営業が休止された。
駅舎やホームは有事の際の避難路として、ほとんどそのままの形で残されていた。21年の時を経て一般公開する理由は
京成電鉄・広報の新田亜希子さん「今年の4月に東京都から、この旧博物館動物園駅の駅舎が歴史的価値があると選定されたのがきっかけ」
一般公開だけでなく、東京藝術大学とコラボしアートの展示会も実施している。地下にホームがあることにちなみ、地面に穴を掘る習性のあるアナウサギをモチーフにした展示物や催しなどが見どころだ。
入場は無料で、混雑時は時間指定の定員制だが、公開初日は整理券がなくなるほどの人気ぶりだった。かつて出札口があった場所など駅舎内の様子は変わったが、85年を経た今でも、当時の面影を垣間見ることができる。
そのなかのひとつで当時のまま残されている落書きされた壁がある。そこに着想を得て、自由にメッセージをかけるガラス扉を設置した。下のホームへは入れないが、ガラスごしに当時の改札口を見ることができる。
この駅を1度だけ利用したことがあるという山崎さんは「東京の秘境駅です。40年前、都電がなくなっていく頃、友達が不忍池の所に住んでいるので思い出というか、(中が)どこまで見られるのか気になった」と話す。
金・土・日の午前11時から午後4時、来年2月まで一般公開する。
【the SOCIAL viewより】