“一票の格差”最高裁「合憲」…反対意見も
「一票の格差」が最大で1.98倍だった去年の衆議院選挙は憲法違反だとして弁護士グループが選挙の無効を求めた裁判で、最高裁判所は、「合憲」と判断して上告を棄却した。
この裁判は、いわゆる「一票の格差」が最大で1.98倍だった去年の衆議院選挙は、投票価値の平等を定める憲法に違反するとして、弁護士グループが選挙の無効を求めたもの。
最高裁は19日の判決で、0増6減の措置や新制度の導入などで段階的に是正を図ったと評価できるとした。その上で、憲法の求める「投票価値の平等」に反する状態にあったとはいえないとして、「合憲」と判断し、上告を棄却した。
ただ、15人の裁判官のうち4人の裁判官は反対意見などを述べた。
意見を述べた裁判官の1人は、「合憲状態との判定を下すことは、お墨付きを与えるものであると受け止められる可能性が高いという懸念がある。本判決の結果をもって事足りることはなく、『絶えず活発に』その改善を目指すべきものであると考える」としている。
衆議院選挙における一票の格差について、最高裁は3回連続して「違憲状態」と判断していて、「合憲」とされるのは2005年の選挙以来となる。