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天皇皇后両陛下 新年にあたり和歌を公表

2019年1月1日 1:25

平成最後の新年にあたり、天皇皇后両陛下が詠まれた和歌が公表された。天皇陛下は、去年、印象に残った出来事について、5首の和歌を詠まれた。

     ◇◇◇

■第六十九回全国植樹祭

「生ひ立ちて防災林に育てよとくろまつを植う福島の地に」

最後の出席となった全国植樹祭で、東日本大震災で津波の大きな被害を受けた福島県相馬市を訪れ、植樹した時のことを詠まれた。

■第七十三回国民体育大会開会式

「あらし迫る開会前(まへ)の競技場福井の人ら広がりをどる」

最後の出席となった国体の開会式で、台風が近づいて強い雨となった競技場でけなげに踊る地元の人々の演技の様子を詠まれた。

■第三十八回全国豊かな海づくり大会

「土佐の海にいしだひを放つこの魚(うを)を飼ひし幼き遠き日しのぶ」

陛下は戦後間もない頃、学習院中等科の夏休みで滞在した静岡県の沼津御用邸で、地引き網にかかったイシダイなどの稚魚を水槽で飼われていた。

最後の「三大行幸啓」出席となった全国豊かな海づくり大会で、当時を懐かしく思い出しながらイシダイを放流したことを詠まれた。

■沖縄県訪問

「あまたなる人ら集ひてちやうちんを共にふりあふ沖縄の夜」

長く心を寄せ、即位後11度目となった去年の沖縄訪問について、離れた場所にいた沖縄の人々とお互いに語り合うように提灯(ちょうちん)を振り合った思い出を詠まれた。

■西日本豪雨

「濁流の流るる様を写し出だすテレビを見つつ失せしをいたむ」

7月に起きた西日本豪雨の被害の様子を伝えるテレビニュースを見た時のことを詠まれた。9月には、広島県、岡山県、愛媛県の被災地を訪問された。

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また、皇后さまは、3首の和歌を公表された。

■与那国島

「与那国の旅し恋ほしも果ての地に巨(おほ)きかじきも野馬(のうま)も見たる」

日本最西端の地である沖縄県与那国島を訪問した旅を懐かしく思い出して詠まれた。

■晩夏

「赤つめくさの名ごり花(ばな)咲く濠べを儀装馬車一台役(やく)終(を)へてゆく」

信任状奉呈式に臨んだ新任の外国大使を送った後で、役目を終えた儀装馬車が、皇居の堀端を戻っていく様子を詠まれた。

■移居といふことを

「去れる後(のち)もいかに思はむこの苑(その)に光満ち君の若くませし日」

即位後、今の御所に住まいを移して間もない頃の若かった陛下の様子を思い起こし、退位して引っ越した後も当時の思い出を大切にするだろうと詠まれた。

     ◇◇◇

今月16日、皇居・宮殿では、平成最後の歌会始が行われる。