六ヶ所再処理工場 合格の時期は不透明に
原子力規制委員会は、この春にも安全審査の合格が見込まれていた青森県にある六ヶ所再処理工場について、追加の審査が必要だとし、合格の時期の見通しは、不透明となった。
日本原燃の六ヶ所再処理工場は、原発の使用済みの核燃料からプルトニウムなどを取り出して再利用する国の原子力政策の中核となる施設。
すでに稼働の前提となる主な安全審査が終了していたことから、早ければこの春にも事実上の合格証に当たる「審査書案」が出される見通しだった。
20日の原子力規制委員会では、これまでの審査内容について議論したところ、委員らから航空機落下を想定した対策や、活断層の長さの評価など、複数の項目で根拠が不十分で、追加の審査会合が必要だとの指摘が相次いだ。
Q:審査書案の取りまとめの見通しは?
更田委員長:「見通しはありません」
原子力規制委員会の更田委員長は慎重に審査を続ける必要があるとして、合格の時期は不透明との認識を示した。
六ヶ所再処理工場は、当初1997年に完成する予定だったが、トラブルなどが相次ぎ、これまで24回にわたって完成時期を延期している。日本原燃は現時点での完成時期を2021年度の上半期としている。