全盲のシンガー「ちひろ」ライブへの挑戦
わたなべちひろさんは未熟児網膜症のため、生まれたときから視覚に障害があります。力強く伸びのある歌声で魅了するちひろさん。15歳の誕生日を迎える数日前、ワンマンライブに臨みました。人生初めての大きな挑戦です。
ちひろ「最初(ワンマンライブを)やるっていう時点で、『え?どういうもの?え?私ひとりでライブ?どういうこと?』って思って」
ちひろさんが、音楽と出会ったのは2歳の時に両親と一緒に行った野外音楽イベントがきっかけでした。もらった電子ピアノで、初めて弾いたのは、その音楽イベントで聴いた曲。わずか2歳でしたが、耳で聴いて覚え、弾けるようになったそうです。
ちひろさん「(音楽は)まさに“音を楽しむ”ですから、演奏したりとか、アレンジしたりとか楽しいっていうか」
転機が訪れたのは小学4年生の時に参加したワークショップ。ジョン・レノンの「イマジン」を大勢の前で歌うことになりました。その後、あるコンテストで、音楽関係者の目に留まり才能を見いだされました。
今回、プロのバックミュージシャンたちもちひろさんのためにライブに参加しています。メジャーデビュー前ですが、友だちやラジオで歌声を聴いたという200人を超える観客が集まりました。
ちひろさん「えー、今日は初ワンマンライブで、今ものすごい足が震えちゃうくらい緊張しちゃってて…」
観客「がんばれー」「大丈夫」
しかしピアノを弾き始めると、緊張していた表情が笑顔に変わりました。約1時間半のライブ、会場からは大きな拍手が――
ちひろさん「手拍子をしてもらえたり、たくさんの拍手をもらえて、私も元気をもらいました」「落ち込んだときに音楽聴くっていうのは、自分の心の宝物だし、友だちのような関係なので、これからも続けていきたい」
【the SOCIAL lifeより】