「長浜ラーメン」発祥の地で屋台が消滅危機
地元の人だけでなく観光客も引きつける屋台のラーメン。福岡の夜の楽しみの一つになっている。ところが、ある有名ラーメン発祥の地では、屋台が消えるかもしれない事態が訪れているという。
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福岡が誇る「長浜ラーメン」。いま、長浜ラーメン発祥の地元屋台がピンチに追い込まれている。観光地としても名高い福岡市天神の屋台村を訪れると、多くの観光客などで、かなりにぎわっていた。
しかし、長浜ラーメン発祥の地はここではない。長浜地区に向かってみると…営業していた屋台は2軒だけ。天神と比べると、さみしい光景だ。
長浜で40年近く営業 屋台「若大将」澤野繁春さん「ずっと減少ですよね。最悪の状態です。ここはちょっと難しいかなと」
戦後に誕生したという長浜地区の屋台。20年以上前の映像をみると数え切れないほどの屋台が立ち並んでいた。しかし現在、営業許可を受けてる屋台はわずか4軒。消滅の危機を迎えている。
その大きな理由の一つが、集客の難しさ。福岡の屋台の多くは、天神駅や中洲周辺に集中している。
しかし、長浜の屋台は、繁華街や駅から少し離れているため訪れる人は少ない。また3年前、福岡市の指導により、長浜の屋台は別の通り沿いに移動。その場所は駅から住宅地へ向かう道からも外れているため、夕方でも屋台方面にいく人は、ほとんどいない。
福岡市も観光資源でもある屋台を存続させるため、3年前から後継者の公募を開始。長浜地区では5軒の屋台経営者を募集した。
ところが―。
福岡市屋台選定委員会・村上剛人委員長「長浜は5区画、誰もいません」
営業を希望する人は、いなかった。全国区のラーメンを生んだ長浜屋台の消滅危機。その火を絶やさない方法が求められている。