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AI人材不足…でも将来本当に必要な人材は

2019年6月10日 18:32
AI人材不足…でも将来本当に必要な人材は

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「AI人材不足」。株式会社COMPASS代表の神野元基氏に聞いた。

AI人材とは、AI(人工知能)に関する研究・開発やその導入を進める上で必要となる人材のことをいう。経済産業省の試算によると、2030年、日本では必要とされるAI人材が12万4000人不足するといわれている。

そこで政府は、将来のAI人材不足に対応するための人材育成の方針を示した。全ての高校生100万人、文科系、理科系問わず50万人の大学生や高等専門学校生、100万人の社会人にAIのリテラシー教育を行う。そして、2025年までには、各専門分野でAIの技術を応用できる「AI応用人材」を年間25万人確保する方針だ。


――この話題について神野さんにフリップを書いていただきました。

「AI人材って何?」です。

AI人材が必要といわれていますが、そもそもAIを開発する人が不足してくるということなのか、AIを使ったソリューションを生み出せるようなビジネスマンを見いだしたいのか、それをしっかり定義する必要があると思います。それにより具体的な教育は変わってくると思います。

経済産業省がいっている理系人材の不足という施策をとっていく先には、恐らくAIをつくる人を増やすという意味で「AI人材の育成」といっていると思います。

しかし、本当にAI開発する人だけを育成することで経済の発展につながるのか、それともAIを取り扱うことのできる人が必要なのかというのは議論する必要があると思います。


――それではこの後、必要とされる人材というのは、どういう人材なのでしょうか。

私はイノベーション人材だと思っています。世の中の問題というのをしっかり見つけることができて、その問題の本質に気づき、それに対して適切な解決策を提示できる。そういう人材を増やしていくことが必要だと思っています。その中のひとつのソリューションとしてAIというものも当然存在するので、ソリューションのひとつとして適切に選べる、そういう力をみんなが身につけることが大事なのではと感じています。


――根本から考え方を変えていかなければいけないですね。

みんなで目指すべきスローガンを何にするのかはすごく大事だと思います。人材を教育することというのは10年、20年かけて、この国に浸透させていくものですので、それだけ長い間、みんなが同じ目標で走れるようなスローガンにしていったほうがいいと思います。

【the SOCIAL opinionsより】