カラスが人間を攻撃…身を守るためには?
北海道・札幌市で、通行人がカラスに攻撃をされる被害が相次いでいる。いまの時期は、特に注意が必要なのだという。身を守るためには、どうしたらよいのだろうか。
◆カラスが通行人を威嚇、頭めがけて…
多くの観光客が訪れる、北海道・札幌市の大通公園。そこには、鳴き声をあげながら通行人を威嚇するカラスが。さらに、カラスが女性の頭めがけて、ものすごい勢いで飛んでくる。
この時期、札幌市内ではカラスが人に対して威嚇や攻撃することが相次いでいた。
一体、カラスはなぜ、このような行動をとるのだろうか。
◆実は…ヒナを守るため親カラスが攻撃
ヒナだろうか、なかなか飛べずに歩道を歩いているカラスが1羽確認できる。
実は、威嚇していたのは子育て中の親ガラス。いまはカラスのヒナにとって巣立ちの時期で、飛ぶ練習をするヒナを守るため巣に近づく人間に対して親のカラスが攻撃的な行動をとっているのだ。
札幌カラス研究会 中村眞樹子さん「あれがヒナですね。親(カラス)は人との距離すごく近くなって、もうパニックおこしちゃって、とにかく周りに人が来てほしくないから、来る人来る人に威嚇しちゃう」
では、カラスに襲われないようにするにはどうしたらよいのだろうか。
札幌カラス研究会 中村眞樹子さん「一番いいのは、腕を上げてまっすぐ動かさないで、走らずに通り過ぎる。人間の腕が翼に引っかかって邪魔になって、頭を蹴られなくて済む」
そして、一番大事なことは、むやみに刺激しないこと。手で追い払おうとしたりカバンなど持ち物を振り回したりすると、カラスはより攻撃的になるという。
◆都内では、別の“カラス問題”
この時期、都内では別のカラスによる被害も深刻な問題になっていた。狛江市の農園を訪ねると──
農家 須田和男さん「こういう感じでなっている青いトマト。これをカラスがね、つっついて落としちゃうんですよ」
トマトやナス、ブルーベリーなどを育てている須田和男さんは、長年、収穫間際の農作物をカラスなどに荒らされる被害に悩まされてきた。
農家 須田和男さん「カラス5羽くらいで来ますから、だいたい。そうするとね、あっという間にやられてしまいますね」
そこで──
◆対策に“ハリスホーク”
小屋から出てきたのは、ハリスホークという種類のタカ。3年ほど前から飼育し、止まり木で番をさせたり、飛び回らせたりしているという。
農家 須田和男さん「カラスなんかも(ハリスホークが)本当にここに止まっているだけでね、警戒しちゃってうちの上飛ばなくなりましたからね」
カラスが近づかなくなり、いまではほとんど被害がないという。
ただ、この時期はカラスもヒナの巣立ち前で攻撃的になっているため、タカを農園内で飛ばすのは控えているという。
来月上旬ごろまでがピークだというヒナの巣立ち。それまでは、カラスを刺激しないように注意が必要だ。