「SIMスワップ」でスマホ乗っ取り......“不正送金”の被害増 対策は? 「フィッシング」や「急にスマホが使えない」に注意
他人になりすまして再発行させたSIMカードでスマートフォンを乗っ取る「SIMスワップ」。この手口による不正送金などの被害が増えています。まずはフィッシングに応じないことが大切で、スマホが使えなくなったらSIMスワップを疑うべきだといいます。
■不正送金に関与か…30歳の女を逮捕
有働由美子キャスター
「車内でうつむくのは、他人のスマホを乗っ取って金をだまし取った疑いで逮捕された大根田愛美容疑者(30)。約9000万円もの不正送金に関与したとみられています。その手口というのが『SIMスワップ』です」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「SIMとはSIMカードのことで、電話番号などの利用者情報が記録されていて、スマホに挿すことで使えるようになります。そしてスワップは、取り換えるという意味です。つまりスマホを乗っ取るということです」
■「SIMスワップ」の手口は?
小栗委員
「手口はまず、ターゲットの個人情報集めです。フィッシングと呼ばれますが、偽サイトに誘導してIDやパスワードなどを入力させ、盗み取るケースが多いです。次に、不正に取得した個人情報などをもとに、免許証などの身分証を偽造します」
「そして、SIMカードの再発行です。携帯ショップに行き『SIMカードをなくした』などと言って偽の身分証で店員をだまし、再発行してもらいます」
「こうして他人のスマホを乗っ取ることでネットバンキングを利用する際にスマホに送られてくるショートメッセージなどの二段階認証も突破して、不正に送金します」
■クレカ不正利用、不正なスマホ決済も
有働キャスター
「こんなことをされたら本当に怖いですが、こうした被害は増えているのでしょうか?」
小栗委員
「金融犯罪に詳しい株式会社ラック金融犯罪対策センター長の小森美武さんによると、1年ほど前から被害相談が増えているそうです。ネットバンキングによる不正送金が一番多く、ほかにもクレジットカードの不正利用や、お店での不正なスマホ決済もあるといいます」
■詐欺に遭わないための注意点は?
有働キャスター
「スマホにひも付いたお金が根こそぎ奪われる可能性もありますよね。私たちは何に気を付ければいいのでしょうか?」
小栗委員
「何よりもまずは、フィッシングに応じないことです。小森さんによると、SIMスワップ詐欺の前提として、フィッシングで口座情報などが漏れていることがあります。そのため見覚えのないメールやリンクは絶対に開かない、パスワードを入力しないことが大切です」
「そして、スマホが急に使えなくなったら注意です。乗っ取られると、元々の携帯は使えなくなります。あっという間に不正利用されてしまうこともあるそうなので、すぐに携帯会社に連絡した方がいいということです」
「加えて、心当たりのない出金があればSIMスワップ詐欺を疑うべきだといいます」
■廣瀬さん「まずフィッシングに注意」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「まずはフィッシングに遭わないように気を付けないといけないと思いました。また、生体認証などその人に基づいたセキュリティーを強化したり、いずれにせよ携帯会社やカード会社、銀行はしっかり対策を取ってほしいですね」
有働キャスター
「『急にスマホが使えなくなった』『いつもの場所にいるのに、4Gや5Gの電波が入らない』などに気付いたらSIMスワップを疑って、すぐに携帯会社に連絡することを覚えていただければと思います」
(5月11日『news zero』より)