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中川翔子×いじめ1 いじめを振り返る

2019年9月13日 18:37
中川翔子×いじめ1 いじめを振り返る



■ちょっとした空回りが、いじめのきっかけに

中学に入ったときですね。女子校だったんですけど、中学に入った途端に空気が一変したというか。小学校では、絵を描いたりとか、勉強運動ができなかったりしても、「絵を描くのが好きな子なんだね」と先生も個性としてキャラクターを立ててくれていて、みんなそれぞれ楽しく過ごしていました。

そのノリのまま中学に入ったんですけど、みんな急に大人びた感じがして…。最初のクラス分けで隣になった子がすごく大人っぽくて、恋愛とか芸能の話とかで盛り上がっていて、ついていこうとするたびに空回ってしまったり、ちょっと空気が読めなくなっちゃって変なこと言っちゃったりとか。そういう「あっ、しまった」の蓄積が、じわじわと「あいつちょっとおかしくない?」とか、「あいつキモイ」とか、「あいつ頭おかしい」みたいなことになりました。


■“大好きな絵を描くこと”も否定された

絵を描いていただけで、「あいつオタクじゃね。キモイ」みたいになっていっちゃうっていう。今までは普通に絵を描くと楽しかったり、「なかしょう、絵描いて!」みたいな感じでいたけど、「えっこれって。キモイことなの?」ってちょっと思って。

学校でそういう好きなことを出すっていうことが、おかしいヤツみたいになっちゃうんだってことも、知ったときにはもう遅くて。いつの間にかちょっと浮いちゃっていた。


■“スクールカースト”は一度落ちると浮上できない

“スクールカースト”っていう目に見えないけど、はっきり見えるそういう階級の中で、自然とボッチで下がっていくっていう感じでしたね。気がついた時には、もうそこから浮上するのは相当難しいことだった。

あとはひたすら「このボッチで低カーストになっちゃってる自分っていうのを悟られたくない。知られたくない。認めたくない」っていうのもあるから、回り道して遠いトイレに行って時間を消費したり、ロッカーの整理をして過ごして、忙しいふりするとか。でもその行動を含めて全部バレているので、それも惨めでした。


■周りみんなが悪口を言っているように思えて…

大人なった感覚で言うと、2か月とか結構ドタバタがあっという間に過ぎちゃう感覚なんですけど。忘れちゃいけないなと思うのは、あの当時は本当に毎日が長くて、休み時間とか、5分、10分の教室移動とか、カフェでご飯を食べるときとか。全部がもう人の視線とか言ってることが気になっちゃって。こうやって机で突っ伏してして過ごしていても、いろんなことが全部自分の悪口なんじゃないかみたいに感じていました。ずっとそのことで頭がいっぱいになったり。みんなが回している手紙に私の悪口が書かれているに違いないとか。


■仲が良かった友だちとも疎遠に

小学校のときから仲良かった子が、違う階の違うクラスになっちゃって。その子は、すごく良いカーストの人たちとも渡り合っていて、キラキラして見えたんですよね。

たまに、「おお、なかしょう!」って声をかけてくれたりするんですけど。その子に対して自分はこんなボッチで、キモイとか言われちゃってるっていうのが、恥ずかしかったし、みじめだった。だからその子からも隠れるようになっちゃうという悪循環で。ずっとどんよりしたまま中1、中2と過ごして、中3でやっと話せる子に出会いました。


■理不尽に否定された、修学旅行の思い出

修学旅行の夜、絵を描くのが好きな子と、ルーズリーフに絵を描いて交換してたんですけど、ボスグループが隣の部屋だったんです。突然バッと襖が開いて、「絵とか描いてるんじゃねーよ、きもいんだよ!」って言って、ビシャって締められて。

なんでそんなことを言われなきゃいけないんだろうって。頭の中では言い返したかったけど、できるはずもなくて、その子と絵をしまって黙るみたいな。隣にボスグループがいるから会話もできなくなっちゃって。暗い感じでしたね。

■いじめられる側は、1言1言が残っていく

全然私の体験なんて多分、すごいささやかで、もっとひどい目に遭ってる子も世の中たくさんいるんですけど。当時の自分からすると、本当にこの原因って一個ではなくて、これを言われた、あれを言われたって、結構言われた方って残っちゃったり。それを無意味に反すうして、帰り道とか「何も考えてないぞ」って強がっているつもりでも、「あれを言われた時に返せばとか、言われる前にこういう行動してれば、こういう位置にいなくてもっといい位置に行けたんだよ」とか。こういう反すうしても無駄なのに無意識でまた考えていて。非生産的な考えですよね。