「ゆっくり茶番劇」問題で“ニコニコ動画”運営ドワンゴ会見「商標権放棄に向けた交渉を行う」
ネットの投稿動画で人気の「ゆっくり茶番劇」というワードを、無関係の人物が商標登録した問題で、ドワンゴが会見を開きました。ドワンゴは商標権放棄の交渉を行うほか、自らが商標登録を出願し、取得した場合は「一切の権利行使をしない」と発表しました。
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「ゆっくり茶番劇」という文字が商標登録された問題で、関連の作品が多数投稿されている「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが23日、会見を開きました。
ドワンゴ 栗田専務取締役COO
「『ゆっくり動画』は、10年以上の歴史と、(ニコニコ動画だけで)80万本以上の作品数を誇る、巨大な文化圏です」
ゲーム「東方Project」をモチーフにした顔だけのキャラクターが、特徴的な機械音声でしゃべるのが「ゆっくり動画」です。このキャラクターを使って、誰でも自由に動画を投稿してよいとされていますが、今月15日、ユーザーに衝撃が走りました。
原作者でもない無関係の第三者が、「ゆっくり茶番劇」という文字の商標権を取得したのです。当初、設定していた10万円の商標使用料は、のちに不要としましたが、商標権は依然として残ったままです。
ドワンゴの栗田専務取締役COOは会見で、「もし(商標権の)放棄に応じていただけなかった場合には、『ゆっくり茶番劇』という商標登録に対して、無効審判請求をいたします」と述べました。
商標を取得した人物と商標権放棄に向けた交渉を行い、応じない場合は、特許庁に対して商標登録を無効とするよう求めるというのです。
さらに、「ゆっくり系動画」で使われている複数の文字列について、今度はドワンゴが商標登録を出願すると発表しました。
栗田専務取締役COO
「取得した(場合は)、“ゆっくり”関連の商標権について、弊社は将来にわたって一切の権利行使をしないことを、ここでお約束いたします」
あくまで、「クリエイターを守るための取得だ」としています。会見の生配信中には、「本気の対応ですね」「ドワンゴがんばれ」などのコメントが寄せられました。
これまで、500本近く「ゆっくり動画」を作っているという人は――
「ゆっくり動画」クリエーター(20代)
「ドワンゴという、長年『ゆっくり』と付き添ってきた人たちが、覚悟と責任をもって発信してくれたこと自体に、僕たちは感謝をしたい。できれば(商標権取得者に)放棄してほしいというのが願いではあります」
一方、商標権を取得した人物が所属する団体は、23日、ツイッターで、「本人が放棄の手続きをしている」と報告しました。ただドワンゴは、「本人からの発表ではないので方針に変わりはない」としています。
(5月23日放送『news zero』より)