自力で歩く姿も…手術の男の子「コンビニに行ける」と喜ぶ 世界初 肺と肝臓の同時生体移植 京都大学医学部附属病院
京都大学医学部附属病院は、10歳未満の男の子に、「生体のドナー」である家族の肺と肝臓を同時に移植する手術を行い、成功したと発表しました。男の子は今月1日に退院し、自力で歩けるようになるまで回復しました。
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京都大学医学部附属病院 呼吸器外科 伊達洋至教授
「世界で初めての生体肺肝同時移植を行いましたので、報告させていただきます」
京都大学医学部附属病院が成功を発表した、世界初の手術。10歳未満の男の子に対して行ったものです。男の子は先天性の病気があり、肺と肝臓を同時に移植する必要があったといいます。
そこで去年11月、男の子の父親・母親・祖父から、それぞれ肺や肝臓の一部の提供を受け、移植手術を行いました。
海外では脳死したドナーからの肺と肝臓の同時移植が行われたことはありましたが、日本での事例はありません。「生体のドナー」での同時移植に関しては、世界で初めてだということです。
4つの手術室で、18時間かけて手術が行われました。男の子は、手術前は常に酸素吸入を行っていたといいますが…。
伊達洋至教授
「本人(男児)はローソンに行けるようになったとすごく喜んでいました」
病院では、親子3人が歩く姿が撮影されました。
男の子は今月1日に退院し、自力で歩けるようになるまで回復。臓器を提供した両親と祖父も、すでに社会復帰しているということです。
両親のコメント
「今回の移植の例を機に、これまで移植を諦めるしかなく、 何もできないもどかしさや絶望感を抱えている患者さんや親族の方の一筋の光になれば嬉しいと考えております」