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コンビニ新時代――セブン、スーパーとの“いいとこどり”新業態 「調理定年」と「タイパ」に着目【#みんなのギモン】

2024年2月28日 9:47
コンビニ新時代――セブン、スーパーとの“いいとこどり”新業態 「調理定年」と「タイパ」に着目【#みんなのギモン】
セブン&アイ・ホールディングスが、コンビニエンスストアに食品スーパーの要素をプラスした、新業態の店を千葉県内に開きます。イオンが展開するコンパクトな店舗も拡大中です。背景には、自宅の近くで効率良く食品を購入したいというニーズがありそうです。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「コンビニのスーパー化進む?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●コンビニ新時代 セブンの狙いは?
●脱・手作り主義 調理定年って?

■千葉にオープンする新コンセプトの店

近野宏明・日本テレビ解説委員
「食材やお総菜など日々の買い物は、どういうところでしていますか?」

徳島えりかアナウンサー
「基本的にはスーパーでまとめて買いたいんですけど、仕事帰りで疲れていたり、荷物が多かったりすると、ちょっと割高かもなと思ってもコンビニでパッと買ってしまうことがありますね」

刈川くるみキャスター
「私はスーパーで休日、野菜はここ、乳製品はここ、とはしごするのが楽しくて好きなんですけど、藤井さんにおすすめのスーパーを教えてもらい、そこではお魚をよく買っていました」

藤井貴彦アナウンサー
「私もスーパーはよく行きます」

近野解説委員
「皆さん、生活スタイルとその時のシチュエーションによって使い分けされているということのようですが、29日にセブンイレブンの新業態のお店が千葉・松戸市にオープンします」
「一見すると普通のセブンイレブンのようですが、コンビニエンスストアに食品スーパーの要素をプラスした、新しいコンセプトのお店だそうです」

藤井アナウンサー
「ちょっと大きいですもんね」

■品揃えは従来のコンビニの1.5倍

近野解説委員
「商品棚を見てみると、確かにコンビニと比べて肉とか野菜、果物、生鮮食品の品揃えが豊富です」

藤井アナウンサー
「コンビニエンスストアの良さも、スーパーの良さも併せ持ったような店舗ですね」

近野解説委員
「まさにコンビニとスーパーの中間、いいとこどりの店舗ですね。新しいコンセプトのお店の平均的な面積は従来の約 2 倍です」
「生鮮食品やチルドの食品などを拡充するほか、グループ各社の商品、例えばアカチャンホンポのオムツやおしりふきなども置く予定だそうです。そうしたことで品揃えは従来のコンビニエンスストアの1.5倍以上、この店の場合は5300品目となるそうです」

■全国に拡大する方針…新業態の狙いは

近野解説委員
「今回、セブン&アイ・ホールディングスが新業態のコンビニをオープンした狙いを担当者に聞きました。『コロナ禍以降、シニア世代を中心に自宅のすぐ近くで買い物する方が増えた。これがいったん定着し、コロナが明けた今もあまり変わらない』とのことです」
「さらに『若い世代では共働きが増えた。そこでいわゆるタイパ(タイムパフォーマンス)、時間効率を重視する人たちを取り込むためだ』と話していました」

市來玲奈アナウンサー
「平日お仕事をしていて忙しいと、なかなかゆっくりスーパーに行ってお買い物ということはできないなと思いますし、コンビニがあったらコンビニに駆け込むということも多いと思うので、中間的なお店ができるとしたら、助かるなという声はきっと多いですよね」

近野解説委員
「まさにそうですよね。セブン&アイグループは、今回の新しい業態によって客層が従来のコンビニよりも広がると見込んでいます。今後は、立地や地域の需要に合わせて売り場の面積や品揃えを変えながら全国に拡大していく方針だそうです」

■コンパクトな店舗、出店数は右肩上がり

近野解説委員
「まさに時代の流れで、こうしたコンパクトな店舗でありながらも商品数を多く揃えていて急拡大しているのが、イオングループが首都圏を中心に展開している『まいばすけっと』です」
「まいばすけっとホームページによると、2005年に1号店を開店して以来、右肩上がりで店舗の数が増え、2023年2月28日現在で1055店舗に上っています」
「店舗のつくりが比較的コンパクトなので、短い時間でささっと回って買い物が一通りできます。シニア世代の皆さんは疲れずに買い物ができ、時間的に効率の良い買い物をしたいという若い世代にも受け入れられている結果とみられています」

■育児中の主婦「距離が近いのが一番」

近野解説委員
「街の皆さんにも、買い物をする時に店選びのポイントにしていることを聞きました」

1歳の子どもを育てる主婦(30代)
「子どもが小さいので、距離が近いっていうのが一番。少し遠くまで行こうとしても、子どもの機嫌次第で行けなかったりすることも多いので、近ければ『ちょっと行こ!』ってできて、重たい物を運ぶのも短い方が圧倒的に楽なので」

主婦(70代)
「そこまで色々買い物しない時には、そんなに大きいスーパーじゃなくてもいいかなと思う時があるので、ちょっと小さい食品に特化してるところとかあったらいいと思う」
「出かけててちょっと疲れてて、ご飯作りたくないなとか、もう一品なんか欲しい時に、よく(お総菜を)買いますね」

徳島えりかアナウンサー
「ありますね。明日の朝の食パンと牛乳だけ買いたいとか、副菜がないという時に短時間ですぐ買える、しかもお家の近くにあると便利ですよね」

近野解説委員
「ちょっとした買い物をする時にあまり遠くまで行きたくない。街の皆さんの声に集約されていたと思いますが、ニーズははっきり分かってきました」

■健康志向を意識したお総菜が増加

近野解説委員
「シニア世代の方からは、『疲れてご飯をあまり作りたくない』という声もありましたが、ここからは今回の新業態の狙いの1つでもある『脱・手作り主義 調理定年って?』というポイントについて見ていきます」
「調理定年とは、手作り主義はほどほどにして、テイクアウトやお総菜などを買って上手に取り入れ、栄養をしっかり取ろうという考え方やライフスタイルのことです。実際、最近のお総菜は健康志向を意識したものが増えていますからね」

藤井アナウンサー
「ちょっと割高とは言え、健康志向というスタンスが食品から浮かび上がってくるような…。『これ食べるといいんじゃないかな?』と思ってしまい、つい手が出ますね」

■調理食品への支出、60代は7万円増

近野解説委員
「それを裏付けるような、総務省家計調査のデータがあります。世帯別に見たお総菜などの調理食品への年間支出額を示したグラフです。2000年に一番調理食品を多く買っていたのは40代で、1年間の支出額は11万9457円でした」
「2023年になると全体的に増えていますが、一番多く買ったのは60代になります。60代の1年間の支出額は2000年に10万円を切るぐらいでしたが、2023年には16万7994円と約7万円増えています。1か月で計算すると1万4000円ほど、調理食品に充てています」
「シニア世代が、お総菜などをより多く手に取っていることが分かります。背景にあるのは、家族のために食事を作るのが当たり前、という今までのルーティンから解放されるシニア世代が増加していることです」
「高齢化が進めば、調理定年を迎える人たちが今後も増えるとみられています。そうした需要に、コンビニとスーパーの間という新業態がマッチしているということです」

藤井アナウンサー
「グラフを見ると、2000年の時に40代だった人がちょうど今、60代になっているんですよ。お総菜を買っていくことにハードルが低くなった皆さんが、シニア世代になって多く買ってらっしゃるんじゃないかなと思います」
「1つの物にこだわりを見せて、それ以外はお総菜を買ってくるという、ハイブリッドのお食事というのもいいんじゃないですかね。それが受け入れられる世の中になったんだと思います」

近野解説委員
「食卓もお店も、あらゆる意味でいいとこどりということです。生活の基本をどこでまかなうのかも時代とともに変わっていくようです」

(2024年2月27日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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