意外なモノで“SNS映え”の観光スポット
緑の草原に映える1本の白い道。実は捨てられるしかなかったあるモノを活用したところ、観光客が急増したそうだ。意外なモノを使ったSNS映えする観光スポット。各地で人気となっている。
北海道稚内市、最北の地・宗谷岬からおよそ5キロ。真っ白な道が続いていて、その奥には海と空がつながっているように見える、まさに絶景が広がっている。
目の前に広がったのは“白い道”。およそ3キロ。水平線までまっすぐ続く光景が、SNS映えすると話題になっている。
観光客「初めて来たけど美しいですね。天気がよくて青と白のコントラストが。ここが一番気に入った」
全国から観光客が訪れるという。多くの人を魅了する“白い道”。実はこれ“意外なもの”で作られている。
稚内市役所、建設産業部観光交流課、田尾悠馬さん「この白い道はホタテの貝殻が敷き詰められてできています」
なんとその正体は、ホタテの貝殻!全国でも有数の水揚げ量を誇る稚内市の名産品、ホタテ。しかし、身を食べた後の貝殻は使い道がなく、処理に頭を悩ませていたという。そこで思いついたのが…。
田尾悠馬さん「観光の面で何か生かせないかということで、魅力の創出・貝殻の有効活用を目的で実施しました」
でこぼこした砂利道を歩きやすくするため、砕いた貝殻をまくこと。そして生まれたのが“白い道”だった。
SNSで話題となり、今年から送迎ツアーが行われるなど、年々観光客も増えているという。
田尾悠馬さん「稚内市といえば宗谷岬。それに匹敵するくらい白い道もPRして、多くの皆さんに来てもらいたい」
春から夏にかけて手作業で雑草を抜くなど“白さ”の手入れを続けているという。“ゴミ”から大変貌を遂げたホタテの貝殻の“白い道”。
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そんな“意外なもの”でSNS映えを狙った取り組みは、大阪市道頓堀にもある。太陽の塔に、たこ焼き。壁に描かれたのはストリートアートの数々。大阪市では、かつて「落書き」とされた“ストリートアート”を観光資源として活用している。
島津直生さん「大阪は近年、観光客が年々増加していて、世界中の方が訪れることを背景に、ノンバーバル(非言語)なアートで、世界中の方々が楽しんでいただければと」
描くのは、関西を中心に世界でも活躍しているアーティストたち。茶色い目隠しパネルで殺風景だった壁を、鮮やかなアートで埋め尽くし、新たな“にぎわい”を作ろうとしている。
「個性が出てて良いと思います」「(道頓堀の)活気になると思いますね」
現在13枚のアート作品が描かれ、最終的には最大で35枚まで増える予定。ホタテの貝殻やストリートアートなど“意外なもの”を使った取り組み。今後、広がりをみせるのだろうか。