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気象データでパラアスリートに勝利を届ける

2019年10月17日 15:35
気象データでパラアスリートに勝利を届ける

厳しい暑さの中での開催が予想される来年の東京パラリンピック。そんななか「天気」を味方にしようと「気象のプロ」が地道なデータ収集を行っている。選手とともに、勝利を目指す取り組みを取材した。

気象データで、パラアスリートに勝利を届ける人。ウェザーニューズの浅田佳津雄さん。

35度以上の暑さも予想される東京パラリンピックで、メダルの鍵を握るのは暑さ対策だ。浅田さんは気象のプロとして、選手に最高のパフォーマンスを出してもらおうと、日本代表チームに天気の観測データを提供している。

本番と同じ会場で行われたパラトライアスロンのテスト大会ではレース中、気温はぐんぐん上がり36.6度になった。

浅田さん「どうでした?」

選手「予想通り暑いです」

浅田さん「本番これ以上暑い可能性ある」

選手「でも良いシミュレーションができた」

浅田さん「東京の場合では39度、40度くらいまでいく会場もあったりしましたので、それくらいまで(気温が)いくんですよっていう情報としてサポートできるんじゃないかなと」

別の日、本番の競技開始時間と同じ午前7時30分にスイム会場の水温、気温や風速などを計測。“何時台には何度だった?”という観測したデータを3年分ためようと浅田さんのチームは2年前からランとバイクのコースにも何度も通い、気象データを蓄積してきた。気象データは体調管理や戦術に重要な役割を果たす。

浅田さん「暑さに体を慣らすということも準備だと思いますし、給水をするという時にどんなものを飲むのか、どんな温度のものを摂取するのか、そういったことも影響する」

パラトライアスロンチームにとって来年の東京パラリンピックに向け最後の夏合宿。部屋の温度を40度に設定し、体を暑さに適応させる。狙いは“暑い中でも動ける体づくり”。

トライアスロン競技は、天気に左右される屋外の競技だ。浅田さんのデータが道具選びにも影響すると選手はいう。

NTT東日本・NTT西日本所属の宇田秀生選手「バイクのタイヤを替えてみたりだとか、ブレーキの調整をしたり、事前にちゃんと調べて準備するのに役立てています」

開催国であるからこその地の利、そして“天気のプロ”を味方につけ勝利を共に目指す。

浅田さん「東京の大会は、暑さとかゲリラ雷雨とか台風とか、気象が1つのキーワードになるような大会だと我々はもともと考えていたので、選手と情報共有してチームをサポートしていきたいと思います」

【the SOCIAL viewより】