高校生が提言!ジェンダー平等社会に
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「高校生が提言!ジェンダー平等社会に」。日本テレビ政治部の小西美穂解説委員に意見を聞いた。
今月6日、ジェンダー平等を考えるシンポジウムが開かれた。これは、UN Women(国連女性機関)と資生堂が主催したもので、男女平等の指数が、149か国中110位の日本で男女格差をどのようになくしていけばいいのか高校生たちが様々な提案を発表した。
――小西さんは司会をしたそうですが具体的にどんな発表がありましたか?
全国33校による予選があって、そこで選ばれた代表の8校が参加しました。例えば群馬県立館林女子高校は、幼い頃に与えるおもちゃが、将来、職業を選択する際に影響しているのではという問題意識を持ったんですね。そして、生徒や保護者にアンケートをして、企業にジェンダーレスなおもちゃや商品作りを働きかけたというそういうことを発表しました。
そして、昭和女子大学附属昭和高等学校。こちらですけれども、私が撮った写真ですが手作りの「ジェンダーかるた」を発表したんですよ。
――(モニターに映し出されたものをみて)「ランドセル僕が持つのは赤色さ」。「僕」ということは、男子生徒が持つのが赤色ということですね。
そうですね。性別にとらわれないというところなんですよね。こうやって小さい頃から「男は、女は、こうあるべき」という性別を固定した役割分担ができてしまわないように、遊びを通して気づいたり意識を変える方法を提案したんです。
――実際に私も小学5年生ぐらいですかね。家庭科の授業でパスタを作ったときに、うまく作れなくて、それを見た男子生徒から「女の子のくせにこんなこともできないのかよ」と言われて、ちょっと傷ついた思い出がありますね。
「女のくせに」、「男のくせに」で困っている人もいると思うんですよね。
――結構その時の傷というのは、今も残ってたりするんですよね。 そのシンポジウムでは、もちろん女子生徒の姿が目立ったでしょうが、男子生徒もいたんですか?
東京の開成高校の2人だけでしたが参加しました。ジェンダー平等といいますと、どうしても女子の問題になってしまいがちなんですが、彼らは、男子校でも自分事として捉えて理解できる教育が必要だと訴えました。
―――男の子の理解も深まるといいですよね。そもそも、皆さんは、学校の授業で学んでいるものですか?
各校バラバラでした。特定の教科ではなくて、今、「総合的な探求の時間」という教育課程がありまして、SDGsのような世界的な課題を考える時間があるんですね。そこで取り組んで、さらに、その他の例えば夏休みを利用して完成したという学校が多かったですね。
――やはり若いうちから自分のこととして捉えて意識しておくということが大切になりますね。
先生が教えて、義務的に「やらされてる感」というのがなくて、自主的に、能動的に、今でいうアクティブラーニングですね。こうやって集団で考えることで、力がつくんだなと感じました。
やはり若いうちからという面でいうと、ジェンダー平等が進んでいる北欧では、幼少期から男女のギャップをなくすという取り組みがされていて、例えば学校生活では「子供の将来の夢を性別で決めつけない」というルールが定着しているんです。
――日本も追いついていきたいところですね。ここで小西さんのオピニオンを教えてください。
「親に自分の考えを言えるようになった」です。
これは、参加した高校生の言葉で印象に残ったんですが、これまでは自分では気がつかなかった日常生活の何気ない言葉に「お父さん、それは偏見じゃない?」というふうに自分でいえるようになったというんです。これはやはり自分が真剣に考えたことで自信も芽生えて、身近な人、ここでいうお父さんとか、親にいえるようになったということなんです。
私は、それはすごく大事なことだと思うんです。子どもたちは学ぶというけれども、実は大人たちが教えられていて、大人の側、つまり社会の側に隠された差別とか抑圧があって、古い価値観、無意識の偏見があることも少なくないんです。
子どもたちが例えば目にするゲームとかドラマでも、どうしてこんな役割なんだろうとか、疑問を抱いたりすることもあると思うんです。もちろん性別による全ての「らしさ」を否定するわけではないですが、幼い頃から自分らしく過ごして、将来の職業でも今より、より多くの選択の可能性を開いてほしいと思うんです。
ですから学校、家庭が一体となった教育が大きな力を持つんですが、今回のような次世代の学びの場の意義は大きいと思います。社会を変える大きな一歩になると思います。
――自分が好きなものを好きだといって、なりたいものになれるような、そんな社会を目指していくべきですね。
【the SOCIAL opinionsより】