【緊急避妊薬】試験販売を開始…“一般販売”は? なぜ時間がかかるのか…
望まない妊娠を防ぐための「緊急避妊薬」。28日から一部の薬局で医師の診察と処方箋なしでの販売が試験的に始まりました。ただ、一般販売はどうなるのか、そもそも今回の「試験販売」についてもなぜこれほど時間がかかったのか、詳しく解説します。
■一部の根強い反対も“科学的根拠”は…
有働由美子キャスター
「今回はあくまで試験販売ということですが、すぐに一般販売というわけにはいかないものでしょうか」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「時間がかかりそうです。試験販売は28日から始まり来年3月まで続きますが、その後、改めて議論をしてどのように販売するのかを正式に決めるのに約2年かかるという見方もあるんです」
有働キャスター
「そもそも、なんでこんなに時間かかっているんですかね?」
小野委員
「ここまで来るのにも、一部の根強い反対があったとされています」
「たとえば、日本産婦人科医会が医師に行ったアンケートの回答の中には、『転売の可能性があるのでは』『避妊具の使用率が低下して性感染症が増えるのではないか』『性暴力に悪用される可能性があるのではないか』といった意見がありました」
「ただ、既に導入されている海外のほとんどの国では、“簡単に手に入ることで悪用された”といった報告はありませんので、必ずしもこれらは科学的根拠があるとも限らないんです」
■WHOも“世界で広く使用されるべき製品”に
小野委員
「一方で一般の人の多くは賛成です。厚生労働省が一般の人から意見を募集したところ、4万件を超える意見が寄せられ、約98パーセントが賛成だったということです」
「それに世界の約90の国や地域で、処方箋なしで薬局などで買えるようになっています。WHOもこの薬を『世界で広く使用されるべき製品』に指定して、『求める誰もが安全に使用出来るアクセスをきちんと確保しないといけない』としています」
■反対するための理由を考えている?
有働キャスター
「そこまで聞くと、なんで日本だけこんなに遅れるのかと思ってしまいますが…。落合さんはどう思いますか?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「僕は1ミリも抵抗がありませんし、早く出回ってほしいなと思います。逆に言うと、僕はなぜ反対する人がいるのか、よくわからないというか…。反対理由を見ても“反対するための理由”を考えているように思えるというところがありますね」
有働キャスター
「日本の人工妊娠中絶件数は年12万件を超えています。望まない妊娠を避け、女性の体を守るための手段として、男性も女性も性別にかかわらず、この薬のことを良く知ることが大事なんだと思います」
「今回の処方箋なしでの販売は全国145の薬局で行われていて、日本薬剤師会のホームページから確認することができます」
※【検索 日本薬剤師会】
(11月28日放送『news zero』より)