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“グチャグチャ”専門家が見た船内の状況は

2020年2月19日 20:07
“グチャグチャ”専門家が見た船内の状況は

新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。19日午前、14日間の健康観察を終えた乗客およそ500人が下船した。

一方、このクルーズ船を巡っては、18日、船内に入った神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授が、その状況に懸念を示し波紋が広がっている。

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岩田教授(YouTubeより)「いまからお話しする内容は神戸大学など所属する機関と一切関係なく、わたくし個人の見解です」「ダイヤモンド・プリンセスの中は、ものすごい悲惨な状態で心の底から怖いと思いました」

岩田教授は18日、医師や看護師などからなる災害派遣医療チーム「DMAT」の一員として、ダイヤモンド・プリンセスに乗船したという。その上で、船内の感染拡大防止への対策が徹底されていないと指摘する。

岩田教授(YouTubeより)「これはもうCOVID-19(新型コロナウイルス)に感染してもしょうがないんじゃないかと本気で思いました」

その理由は、感染症の専門家が常駐していないことや、船内の区分けができていないことだと話す。

岩田教授(YouTubeより)「中はグリーン(安全なゾーン)も、レッド(危険なゾーン)もグチャグチャになっていて、どこが危なくて、どこが危なくないのか全く区別がつかない」

さらに、岩田教授はこんな場面にも遭遇したそうだ。

岩田教授(YouTubeより)「検疫所の方と一緒に歩いていて、患者さんとスレ違ったりするわけです。『あっいま患者さんとスレ違っちゃう』と、笑顔で検疫所の職員が言っているわけですよ」

19日午後、改めて本人に話を聞いた。

岩田教授「隔離をきっちりして感染者が出歩いたりするようなことが絶対ないような仕組みを作っておく、基本中の基本が全くできていなかった」

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そして、この問題は19日の国会でも取り上げられた。

国民民主党・大西健介議員「レッドゾーンとウイルスがない(グリーン)ゾーン、きっちり分けられてるんですか、分けられてないんですか」

加藤厚労相「(防護服を)着てなきゃいけないゾーン、それを脱いで対応する他の業務区域ゾーン、この分離はできているというふうに聞いております」

加藤厚労相は、専門家の指摘を受けながら2つのゾーンの区分けはしていると説明。また、感染症の専門家は常駐していて、いない日は1日もなかったと話した。

一方、19日、岩田教授から聞き取りを行った野党議員からは、下船する乗客について「たとえ陰性だとしても、さらなる隔離が必要なのでは」との指摘もあった。

立国社(会派)山井和則議員「2週間は隔離をさせていただくと、念のためやっぱりやるべきではないでしょうか」

加藤厚労相「(下船後の帰宅について)感染研の方から14日間ですね、しっかりと管理がなされて陰性であって最終的に健康確認がなされていれば。さらに今回いろんな数字も出させていただく中で、最終的に判断をさせていただいた」