気象台 国内唯一の視覚・聴覚障害者のための国立大学と連携協定を締結 防災知識の教育・普及活動進める
東京管区気象台などは13日、視覚・聴覚障害者のための国内唯一の大学である筑波技術大学と連携協定を締結しました。視覚・聴覚障害を持つ人への防災知識の普及啓発を進め、今後、わかりやすい防災気象情報の改善につなげていきたいとしています。
気象庁は台風や大雨などによる災害や、地震や津波の発生時などに様々な防災気象情報を発信していますが、種類が多く、情報が複雑化しているため、わかりにくいことが課題となっています。
特に、視覚・聴覚障害者などにわかりやすい情報を発信し、適切な防災行動につなげてもらうため「要配慮者対策」を進めていますが、その一環として、13日、東京管区気象台と水戸地方気象台は、「筑波技術大学」と連携協定を締結しました。
筑波技術大学は国内で唯一の視覚・聴覚障害者のための国立大学で、これまでも視覚や聴覚の障害を持つ人の立場から気象台が緊急時におこなう、記者会見の伝え方について意見交換をおこなったほか、海水浴場で津波が来たことを視覚的に知らせる「津波フラッグ」の作製にも携わっていました。
気象台は今後も、ろう学校などを対象とした防災授業や講演会を実施し、防災知識の普及啓発を進めていくとともに、学生と意見交換などを行い、要配慮者の目線での情報発信の改善を進めていきたいとしています。
東京管区気象台・多田英夫台長と水戸地方気象台・三井秀夫台長は、13日に行われた締結式で、3つの機関で連携を図り相互の理解を進めて気象台の対応能力を向上していきたいとしています。また、筑波技術大学の石原保志学長は、「気象台と協力する中で、学生たちが情報発信改善の役に立つという体験を通して、社会に出る心構えとなる機会としたい」と話しています。