東海道新幹線…開業60周年“最初の運転士”に聞く「秘話」
先週21日、JR東京駅で開業110年を記念するイベントが開かれ、多くの人でにぎわいました。
そして、その東京駅から出発し、今年60周年を迎えていたのが東海道新幹線です。
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「のぞみ1号の出発です」
いまから60年前、東海道新幹線が走りだしました。
東海道新幹線は、1964年の東京オリンピック開幕の9日前に開業し、多くの観客を会場まで送り届けました。
速さは当時、世界最速の最高時速210キロ!
東京・新大阪間を、最速4時間で結びました。
そんな「夢の超特急」
一番列車の運転士を担当したのが、関亀夫さんと大石和太郎さん。
今回はその一人、運転士の関さんに、0系新幹線が保存される鉄道博物館で当時の話を聞きました。
60年前一番列車を運転・関亀夫さん(91)
「日の丸のでっかい(旗を)振ってくれているところもあるし、(終点の)東京駅はすごかった。周りのビルは人がいっぱいで」
終点の東京駅で、人々が新幹線を祝ってくれている姿が強く印象に残っていると言います。
そして、最高時速210キロが、乗客から強く待ち望まれていると感じたエピソードも。
60年前一番列車を運転・関亀夫さん(91)
「(ビュッフェ車に)速度計があって、いつもこっちの(遅い)方にいるから、お客さんがいつ200キロになるか(確認のために)みんな集まっちゃった。だからもう少し(速度を)出してくれって」
しかし、最高速度を出すには、駅への到着が遅れそうな時にのみ許されていたそうです。
そこで、関さんはタイミングをうかがいながら、一時的に200キロを出して走行させたと言います。
乗客を乗せた新幹線が、200キロを出す。まさに、夢の超特急が完成した瞬間でした。
そして、現在。東海道新幹線は時速285キロまでスピードアップされ、東京から新大阪まで最速2時間21分で走ります。
60年前一番列車を運転・関亀夫さん(91)
「(乗客の)みなさんが安心して乗っていただけるのだから、ありがたいことですよ。でも、どこまで速くなるんだろうね」
東海道新幹線の利用者は、60年間でおよそ70億人にのぼっているということです。