「上司のため息が怖い」と相談も 不機嫌に見える“ため息”がハラスメントに? “無意識”どうすれば…
無意識につく「ため息」が不機嫌に見えていないでしょうか? 企業のハラスメント対策を支援する協会には、職場の上司の「ため息」が怖いなどといった相談が寄せられているといいます。
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「はぁ…」
その何気ない“ため息”─。状況によってはハラスメントになるかもしれません。
──“フキハラ”知ってますか?
就活生(20代)
「“フキハラ”? 知らないですね。初めて聞きました」
会社員(40代)
「“フキハラ”…なんだろう。わからないです」
不機嫌な態度や口調で、相手に不快感や威圧感など精神的な苦痛を与えてしまうという「不機嫌ハラスメント」、いわゆる“フキハラ”です。
派遣社員(20代)
「お仕事教えてもらえてないのに、できてないなぁって感じで、ため息つかれたりとか、使えねぇなぁ、みたいな感じがひしひしと伝わってくる。メンタルがやられるというか、パワハラ?フキハラ?だなぁって、思うことはありました」
会社員(30代)
「自分が一生懸命やったことや、成果がでなかったとき、上司に『はぁ・・』と言われると、すみませんってなるかな」
──ハラスメント、ハラスメントっていう時代をどう思う?
会社員(30代)
「めんどくさい! めんどくさいっす!」
企業のハラスメント対策を支援する協会では、いま“フキハラ”についての相談が増えているといいます。
日本ハラスメント協会 村崎要代表理事
「いまハラスメントがすごく厳しい時代になっていて、世の中の管理職・上司の方が暴言を言わないように、ぐっと我慢する。それが不機嫌な表情・ため息になって“フキハラ”につながっている」
相談で多く挙がっているというのが“ため息”です。
協会が実際に相談を受けた事例は、会社内で部下が上司に報告したとき…
「はぁ…」
内容が気に入らなかったのか、上司がため息。
さらに、仕事が終わって帰る時間。部下が帰ろうとすると…
「はぁ…」
上司の自分より先に帰ることが気に入らないのか、“ため息”。
何回も繰り返したり、不快な態度をとりながら“ため息”をつくとハラスメントになる恐れもあります。ただ無意識についてしまう“ため息”は、証拠として残しにくく、ハラスメントとして認定するのは難しいといいます。
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かつて、上司だった人のため息に悩まされたという人は…
“フキハラ”受けた経験あり 会社員(20代)
「パソコンで仕事しながらも、ため息ついたりとか」
──どんな感じに
“フキハラ”受けた経験あり 会社員(20代)
「はぁ~みたいな。なるべく見ないように、ふれないようにみたいな感じはあった」
その結果…
“フキハラ”受けた経験あり 会社員(20代)
「いますぐ聞きたかった事が聞けなくて、後からつっこまれて『なんであのとき言わなかったんだ』みたいな。コミュニケーションの面で、困ったというのがありました」
一方、こちらの男性は部下に対し…
“フキハラ”してるかも 会社員(50代)
「期待していた仕事よりも、それ以下だった場合、ため息をついたり、急いでるときはあるのかな」「不機嫌な対応をして接したこともあるなと」
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ハラスメントになりかねない“ため息”ですが、専門家によると、呼吸を整える役割があり、心のバランスを整えることにもつながると話します。
関西大学文学部 菅村玄二教授
「ストレスによって、仕事とかもそうだと思いますけど、疲れもあったりどんどんモチベーション自体が下がる。ため息でやる気を高める(モチベーションを)回復させる効果があります。ため息はいいもの。これから頑張ってくれるサインだと思ってくれた方がいいかなと思います」
専門家などによると、ため息がしづらいときには深呼吸するなど、他人に不快感を与えないよう意識することも重要だということです。