防災ヘリ墜落「原因は“空間識失調”」
2018年、群馬県で防災ヘリコプターが墜落した事故について、国の運輸安全委員会は、雲の中の視界が悪い中を飛行したことで機長が「空間識失調」に陥り、適切な操縦が困難になったことが原因とする報告書を公表した。
この事故は、2018年8月、群馬県中之条町の山中で、山岳救助に備え危険箇所の調査などを行っていた群馬県防災航空隊のヘリコプターが墜落し大破、乗っていた消防隊員ら9人全員が死亡したもの。
運輸安全委員会の調べでは、機体には墜落につながるトラブルはなかったが、墜落直前に急加速するなど異常な飛行をしていたことがわかっている。
こうしたことから、視界がきかない雲の中に進入したヘリコプターの機長が位置や動きを正しく認知できなくなる「空間識失調」に陥って操作が正常にできなかったため墜落したとしている。
運輸安全委員会は、今後の再発防止に向けて天候が悪化した空域から速やかに離脱することや、「空間識失調」の危険性について周知するように求めている。