パイロット飲酒問題 全日空に事業改善命令
パイロットらの飲酒問題が相次ぐ中、去年11月に全日空のパイロットが乗務前の検査でアルコールが検出されたことを受け、国土交通省は1日、全日空に事業改善命令を出し、再発防止策を報告するよう求めた。
去年11月7日、福岡空港から羽田空港に向かう全日空機に乗務予定だった40代の男性機長から規定値を超えるアルコールが検出され、乗務を交代する事案が起きていた。
全日空は乗務12時間前から飲酒を禁止しているが、この機長は、9時間前までビール中瓶を4本飲んでいたということで、その後、懲戒解雇されている。
全日空をめぐってはすでに去年4月に別のパイロットの飲酒問題で業務改善勧告が出されていたが、国土交通省は1日、航空法に基づく事業改善命令を出し、今月末までに再発防止策を報告するよう求めた。
事業改善命令は、事業許可取り消し、事業停止命令につぐ3番目に重い行政処分で、これを受け、全日空は片野坂会長はじめ役員4人の報酬を2か月間2割から3割減額するとしている。
また、全日空の平子社長は、「事業改善命令を厳正に受け止め安全運航を堅持するとともに、さらなる対策の実施を含め、全役職員一丸となって再発防止を図り、信頼回復に努めてまいります」とコメントしている。