長引く休校 子や親のストレスどう解消?
緊急事態宣言が続く東京。学校の再開はどうなるのでしょうか。また、休校が長引く中で、新型コロナが子どもや親たちに与える影響が心配されています。
東京における学校再開の見通しと、子どもが抱える不安・子育てのストレスにうまく対処する方法についてまとめました。
■東京都 学校は緩和の「初期段階」で再開へ
東京都がこれまで示してきたロードマップの中には「学校の再開」が入っていませんでしたが、小池都知事は19日、都立の学校について、”休業要請緩和”の「ステップ1」で再開する考えを明らかにしました。
東京都が示しているステップというのは0から3まであり、「1」というのは博物館や美術館などと同じように、緩和の「初期段階」で再開するということです。また、市区町村の小中学校について小池都知事は「地域の事情で決める流れになる」と述べています。
東京・品川区の学校では、5月20日から土日を除く来週金曜まで、児童を対象として校庭や図書室の開放を始めました。
品川区立戸越小学校・矢田雅久校長「公園に行っても未就学の子供がいたり、思いっきり遊んだりできない。校庭と図書室を開放するのでストレスを減らしてもらいたい」
品川区では来週月曜日から、各学年に登校日をもうける、いわゆる「分散登校」がスタートします。学校の再開は来月6月1日を見込んでいますが、これも分散登校になる予定です。
5月20日からの校庭開放も、早い段階で児童を慣れさせるためのものということです。矢田校長によると、この学校はオンラインの環境が整っていないため、ホームページでリンクをはって課題などを出していました。
しかし、双方向のやりとりができなかったため、学校は保護者や子どもたちとつながっていることを分かってもらう機会を作ったとのことでした。
■子どもの悩み1位は「コロナのこと考えるのイヤ」
いよいよ学校も再開に向けて動き始めているのですが、心配なのは新型コロナが子供たちに与える影響です。国立成育医療研究センターが、新型コロナの流行する中、子供たちにどのような影響があるか調査しました。
小学生の回答が多かったのですが、子供たちの回答では
「いま困っていること」第1位は「コロナのことを考えるとイヤだ」
39%の子供が困っていることとしてあげました。
「誰かに相談したいこと」第1位は「コロナにかからない方法」
46%の子供が困っているということです。
調査結果を分析した田中恭子医師も、予想以上に子供たちが恐怖や不安を感じていると思ったといいます。しかし、「自分の気持ちに気づくのは大切なこと。心の傷になるトラウマの予防になる」と話しました。
専門家が言っている「手洗い」や「3密」といった大事なことを、子供たちが自分で判断して実践できるように、大人が分かりやすい言葉で伝えることが重要だということです。
■溜まるストレス・・・親はどうすれば?
さらに、子供たちの心の健康に影響するのが、親御さんたちの心の状態。子育てをしている大人に「ストレス解消できている?」と聞いたところ、「あまりできていない」と答えた人が62%にのぼりました。
家からなかなか出られず、外でも密になってはならず「どうしたらいいの?」という親御さんも多いはずです。田中医師は『少しでも親子で別々になる「時間」や「空間」を作れるといい』と言っています。
難しいことを考えず、好きなアロマを楽しんだり、お風呂に入ったり、子供は「おうちテント」でそれぞれの時間を過ごすのもいい。自分のストレスケアを優先する時間を必ず作ること。また、実はこども自身が1人でいられる時間を作るのも、子供たちの成長につながるといいます。そして、コロナで子供に色々してあげたいと焦りが募る大人たちに、こんなアドバイスもいただきました。
国立成育医療研究センター こころの診療部・田中恭子医師
「100%を求めてしまうと誰しも難しいし、私もできていないんですけど、考えていることの5割ぐらいできたら”結構やれている”と自信を持っていただいて、この事態を乗り切っていただけるようにと思っています」
葛藤や不安のなか大人たちが頑張っている姿を、子供たちもしっかり見ています。突然学校が休校となり、子供たち同士でコミュニケーションがとれない、教育が十分でない時間が長い間続きました。子供たちの心に寄り添って、影響が最小限になるよう、現場でいろんな工夫してほしいです。
2020年5月20日放送 news every.『ナゼナニっ?』より